表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
183/363

一万とんで三千年

 きいんっ!

 がきいんっ!

 しゅばしゅばっ!


 屋根の上では勇者と忍者がバトルを繰り広げています。

 月詠城の天守閣の上で、さながら時代劇の曲者とお庭番のごとく戦っています。

 一瞬の交錯を繰り返しながら戦いは白熱しています。

「せいっ!」

 忍者が手裏剣を勇者に投げつけました。

 合計五つ。

 その全てが勇者に向かって放たれます。

「甘いっ!」

 その全てを勇者が刀で弾きます。

「くっ!」

 しかし同時に突っ込んできた忍者は勇者へと斬りかかります。

 手裏剣を弾くことで精一杯だった勇者は防御が不可能になっています。

「もらったーっ!」

 勇者大ピンチです。

 忍者の刀は勇者を袈裟切りにせんと凶刃を煌めかせます。


 すばあっ!


 と、確かに袈裟切りにされました。

「ふっ」

 忍者が勝ち誇ったように笑います。

「へへ」

 しかし勇者も笑っています。

 勝ち誇ったような笑い方ではありませんが、しかし忍者の勝利を否定するような笑い方です。

 勇者が視線を向けたのは、忍者が手にしている忍者刀でした。

「って、あーっ!!」

 ぽっきりと折れた忍者刀に気付いた忍者は情けない声を上げてへなへなと崩れ落ちてしまいました。

 そして勇者は無傷です。

 着物すら切れていません。

「わははは。俺に勝とうなんざ一万とんで三千年ほど早いわ!」

 自分の刀の腹で忍者の頭をぼこぼこと殴ります。

「う、ぐぬぬ……」

 心底悔しそうに呻く忍者ですが、それにしても一万とんで三千年って……

 勇者も大概大人げないですね。

 無駄に長生きしている癖に精神面の成長は残念な感じになっています。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ