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にんじゃだ!

 転移魔法で月詠の里にやってきた魔女とにゃんこはとりあえず腹ごしらえに串団子とぜんざいを食べるのでした。

「おいしーね~」

「うん。うまうま」

 既に十皿を越えようとしている団子皿はタワー型を形成しつつあります。

 にゃんこが壊したくてうずうずしていますが、さすがに怒られそうなので我慢しています。

「次はどこに行く?」

「えっとね~、おしろのてっぺんにいってみたい~」

 月詠の里にはお城があります。

 偉い人が住んでいる場所というわけではなく、完全に観光用のお城なのですが、人気は高く常に人が出入りしています。

 天守閣から里全体を眺めるのはとても魅力的です。

「よし。じゃあお城に行こうか」

「わーい!」

 魔女とにゃんこは手を繋いで月詠城を目指します。


「あれ?」

「ん? どしたのにゃんこ」

 にゃんこが耳をぴくぴくさせながら上を見上げます。

「おとがきこえる」

「おと?」

「うん。きんぞくがぶつかるおと。だれかがうえでたたかってるのかな?」

「金属がぶつかる音って、剣戟?」

「たぶん」

 にゃんこの言葉を確認するために上を見上げると、黒い影と青い影が高速でぶつかっては弾き飛ばされるというのを目撃してしまいました。

 マンガでよくあるような一瞬の交錯をがんがんきんきん繰り返しているようです。

 素人目には残像しか追えません。

「うーん。ここからじゃよく見えない」

「じゃあうえにのぼってみようよ」

「そうだね」

 魔女とにゃんこは入場料を払って月詠城へと入りました。

 階段を登って天守閣を目指します。

 もちろん二つの影が戦っているのは屋根の上なので、天守閣に登った後は更に飛行魔法を使って屋根へと登ります。

 そして二つの影が対峙しているのを目撃しました。

「………………」

「にんじゃだ!」

 一人は忍者でした。

 黒装束に身を包んだバリバリの忍者でした。

 そして忍者と対峙しているのは……

「勇者じゃん……」

 だらしなく青い着物を着崩した勇者なのでした。



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