表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
178/363

永遠の夢

「何故だ! 余といれば黒鍵騎士ともふもふし放題だぞ!」

「黒鍵騎士のもふもふし放題は捨てがたいけど私におっさん萌え属性はない!」

 一秒で断られたにもかかわらず、魔女と魔王は言い合いを続けています。

 醜い口論です。

 しかも自分のプロポーズなのに餌にしているのが黒鍵騎士という酷い有様です。

「魔女殿のもふもふマニアっぷりは一種の病気ですね……」

 その様子を呆れ混じりに溜め息と共に眺める黒鍵騎士は、可哀想なぐらいどんよりしていました。

 人権ってなんですか? と問いかけたくなりますね。

「びょーきなの? ぼくはますたぁにもふもふされるのだいすきだよ」

「はは……」

 無条件に魔女を慕っているにゃんこにとってはそうでしょう。

 しかし黒鍵騎士は魔女のことを憎からず思っていても、決して慕っている訳ではないのです。

 というか黒鍵騎士自身はロリコンではないので恋愛対象としてはもう少し年齢を引き上げて貰わないと困るといった所でしょう。

「にゃんこはいいんですか?」

「なにが?」

「仮に私と魔女殿が結婚したとして、にゃんこは寂しくないのですかという意味ですよ」

「さみしくないよ~。だってぼくもますたぁとけっこんするもん」

「はい?」

「ええとね、りょうてにもふもふってますたぁがいってたよ」

「………………」

 にゃんこの前で堂々と二股宣言している魔女でした。

「い、いっぷたさいせい? のぎゃくだっていってた」

「一妻多夫制ですか……」

 一夫多妻制ポリジニーならぬ一妻多夫制ポリアンドリー

 複結ポリガミーは男女にとって永遠の夢なのかもしれません。

 魔王にとってはロリハーレム、魔女にとってはもふもふハーレムといったところでしょう。

「よし。じゃあこうしよう! 余と黒鍵騎士が魔女に婿入りする! そうすれば黒鍵騎士とも結婚できるぞ!」

「魔王はいらない!」

「なんだとーっ!」

「黒鍵騎士だけちょーだい!」

「やらん!」

「なんだとーっ!!」

 醜い言い争いはまだまだ続くようです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ