逆ハーレムでもおっけー
「●センチ未満か~。はっはっは。まだまだ可愛らしいなぁ。大人の階段昇り始め。将来期待大、みたいな?」
勇者は脱ぎ終えたにゃんこの●●●をじっくりと観察してからそんな事を言います。
「まあ『息子』っていうよりは『孫』って感じの可愛らしいサイズだよね~」
「にゃう?」
魔女もちゃっかり酷いことを言っています。
「にゃんこの筆下ろしは一体誰がするんだろうな~」
勇者としては興味津々です。
勇者はにゃんこのもふもふに激萌えですが、だからといって勇者が『そっち系』ということはないのです。
勇者が大好きなのはあくまでも『もふもふ』であって、BL方向の趣味はまったくありません。
なのでこんな話題も平気で出します。
まあ『にゃんこの初めては俺が貰う!』なんて口にしようものなら真っ先に魔女の鉄拳制裁が下されることでしょう。
その点では救われていますね。
「にゃんこの筆下ろしは私がするっ!」
そして酔っぱらいついでに拳を振り上げる魔女ですが、十三歳の少女が口にする台詞としては最悪ですね。
「……っておいおい。黒鍵騎士にお熱じゃないのかよ?」
勇者がぐびぐびお酒を呑みながら突っ込みを入れます。
「別に逆ハーレムでもいいし」
「……すげえこと言ったな今」
まあ勇者自身もハーレム経験を結構しているので、魔女を責めることは出来ません。
しかし魔女を中心として両手ににゃんこと黒鍵騎士が侍る様を妄想すると、何だか凄い絵になるような気がしてしまいます。
魔王のロリハーレムよりもある意味で凄い絵になりそうです。
「んー。でもそれなら複尾族の美少年達を何人か加えるのも悪くないかな~?」
「………………」
複尾族、ぴんちです。
きゃー! にげてーっ!
と、勇者は心の中で叫んだかもしれません。
「まあにゃんこは成長したらかなり美青年になるだろうしな。使い魔とはいえ旦那候補としては悪くないんじゃないか?」
「え? にゃんこにこれ以上の肉体的成長はないよ」
「は……?」
魔女の爆弾発言に勇者が首を傾げます。
「だってにゃんこは今がいっちばん可愛いんだもん。ずーっとこのままでいて欲しいよね。だから時間魔法で肉体の成長は止めておいた♪」
「………………」
この瞬間、魔女はショタ萌え称号を手に入れました。
凄腕魔女の魔法はロクでもないことばかりに使われます。




