ぱんつのしみが……
「ところでにゃんこが外で洗濯していたようなんだが。珍しいよな。いつもならスカルくんにやらせてるだろああいうの」
「うん。でも今回は自分でやらせないとね。通過儀礼的な意味で」
「ま、まさか……!」
勇者もにゃんこが洗濯している原因に気付いてしまったようです。
「そのま・さ・か♪ にゃんこったら大人の階段昇り始めちゃったよ~」
「ぎゃーっ! 俺のにゃんこがーっ!」
「あんたのじゃねえしっ!」
「ぐはっ!」
瞬時に魔力込めパンチを勇者にお見舞いする魔女でした。
突っ込み能力だけは突き抜けて高いようです。
勇者を圧倒するほどに(汗)。
「そっか~。それでご馳走なのか~」
「そゆこと。しかしご馳走は予知できてもにゃんこの事件を予知できないってことは、案外しょぼいねその予知能力」
「がごーんっ!」
魔女の言葉にショックを受ける勇者ですが、それは予知しなくてもいいものではないでしょうか?
にゃんこの夢●を予知して駆けつけてきたなんてストーリー展開はさすがに変態過ぎますしね。
勇者の名を持つ者としてはさすがにありえないでしょう。
「まあいいや。二人じゃ食べきれない量になってきてるし、特別に振る舞ってあげよう」
「そうこなくっちゃな!」
勇者はその代わりとでも言うように大きな肉の塊を袋から取り出して魔女に差し出しました。
五キロほどのかたまり肉です。
どうやら牛肉のようですが。
そしてバリバリの霜降り肉のようです。
「こ、これわ!」
「月詠産、霜降り牛肉だ! タダ飯も気が引けるからこいつを差し入れてやるよ!」
「おおう! これはローストビーフも追加しなければ!」
「いえーい! ローストビーフいえーい!」
勇者の差し入れによりローストビーフがご馳走リストに追加されました。
「ますたぁ~。ぱんつあらったよ~。でもしみがおちないよ~……」
にゃんこがこまった顔で戻って来ました。
「ぶはっ!」
勇者が妄想だけで悶絶してしまいました。
魔女はそんな勇者を放っておいて、染み抜き魔法薬をにゃんこに渡してあげるのでした。




