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眼球突きは勘弁してください!

「ますたぁ。ごはんまだ?」

「まだだよ~。もうちょっとしたら出来上がるからテーブルに皿を並べといて」

「うん」

 魔女の使い魔になった子猫はきびきびと働いてくれます。

 猫っぽいワガママさも残っていますが、その愛くるしさから十分に許容範囲です。

 耳をぴくぴく、尻尾をぴこぴこさせながら使い魔は動き回ります。

「にゃんこ。カツオブシも用意しておいて。ご飯にかけたいでしょ?」

「いいの!?」

「いいよ~。猫にはやっぱりカツオでしょ」

「わーいっ!」

 魔女は使い魔を『にゃんこ』と呼んでいます。

 猫だからまんまですね。


 ご飯が出来上がったので食卓を囲みます。

「ご飯は行儀よく食べる。動物素体の使い魔だからってがつがつ食べるのは駄目だからね」

「うん」

 にゃんこは難しそうにフォークを使います。

 口元にはごはん粒がいくつか付いていますが慣れてくればもう少し行儀良く食べることが出来るでしょう。

 カツオブシをたっぷりふりかけたご飯はにゃんこにとっては何よりものご馳走です。


「すかるくんたちてつだってくるね」

「はいな。午後には戦闘訓練だからね」

「らじゃー!」

 ご飯を食べ終わったにゃんこは外にいるスカルくん達の手伝いに行ってしまいました。

 畑仕事などを手伝うためです。

 にゃんこはスカルくん達に大人気なので仕事がとてもはかどります。

 にゃんこが姿を現すとスカルくん達も集まってきます。

 一緒に畑仕事をしたり、狩りをしたりしています。

 午後からはスカルくん相手に戦闘訓練です。

 折角使い魔にしたのだから有能に育って欲しいという魔女の思惑です。

 スカルくんの戦闘能力はそこまで高くないので初心者(猫)にゃんこの訓練相手としてはうってつけです。

 にゃんこは戦闘訓練をちゃんばらごっこのように考えているらしく、どちらもとても楽しそうです。

 防御に失敗してスカルくんに棒でぶたれるとにゃんこは涙目になります。

「うみゅ~……」

 頭を押さえてじんわりと涙を滲ませるにゃんこは壊滅的な可愛らしさです。

 耳も尻尾も垂れてしまっています。

「Σ(□`;)アゥΣ(   ;)アゥΣ(;´□)アゥΣ(;´□`;)アゥ」

 スカルくんたちがおろおろしてにゃんこに寄っていきます。

 どうしていいか分からずにゃんこを囲むだけで、変な踊りなど披露しています。

 その姿はとても滑稽です。

 中には頭蓋骨を外したり付け直したりしているスカルくんもいます。

 ……『いないいないばぁ』のつもりでしょうか?

「?」

 よく分からないにゃんこは指をスカルくんの両目(があった場所)に突き入れました。

「(#+_+)イタヒ、、」

 びっくりしたスカルくんはそのまま後ろにずり下がります。

 眼球はありませんが指を突き入れられるのは感覚的に嫌なようです。人間だった頃の感覚が残っているのかもしれません。

「えへへ」

「川* ̄д ̄*川ポッ」

 しかし無邪気に笑うにゃんこの可愛らしさに撃沈してしまい、結局は許してしまうのでした。

 ……萌えは世界最強なのだという教訓を死後に得るスカルくんなのでした。


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