表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
165/363

残酷なことば

「えっぐえっぐ……」

 魔女はぐすぐす洟を啜りながら薬の調合をしていました。

「ますたぁ。どうしたの?」

 そんな魔女をにゃんこが心配そうに眺めています。

「なんでもない。なんでもないよぉぉぉ……」

 にゃんこの萌え顔にも反応できません。

 おざなりな返事をするだけです。

 それだけ魔女の精神的ダメージは大きいのでしょう。

 ちなみに今現在魔女が調合している薬はもちろんダイエット薬です。

 痩せなければ! などと決意したとはいえ、スタンダードに運動で痩せるなんてひとっことも言っていませんよ?

 食事制限? は? 何それ? みたいな扱いですよ。

 魔女には魔女の痩身法があるのです。

 楽して痩せよう魔女の痩身法! みたいな。

 薬を飲むだけで運動も食事制限もせずに痩せてみせます。

 え? 健康面に不安が残る?

 大丈夫です。

 魔女もそのあたりは抜かりありません。

 いつも摂取している『栄養タブレット』で健康維持は問題ありません。

 一日に必要な栄養素が全て詰まっています。

 だから食事も栄養バランスなど考えずに食べたいものを作っていますね。

 ……そりゃあ太りますよ。

 なんですかこの自堕落すぎる生活スタイル。

 更にその上楽して薬オンリーで痩せようっていうんですから人生舐めすぎですね。

 しかし魔女らしいとも言えます。

「ますたぁ。ひざまくらして~」

「って、今調合中なんだけど……」

「あ、そっか。じゃああとでして~」

「いいけど」

 魔女はにゃんこを甘やかすのが大好きです。

 もふもふしながら膝枕も魔女にとっては至福の時間なのです。

 にゃんこにとっても至福の時間ですから、二人にとって幸せな時間という素晴らしいイベントなのです。

「ますたぁのひざとおなかってさいきんますますきもちいいからだいすき~」

「っ!!」

 悪気はありません。

 にゃんこは思ったことを言っただけです。

 膝周りとお腹周りのお肉……脂肪がついて気持ちがいいと正直な気持ちを言っただけです。

 たしかに脂肪はぶよぶよして気持ちがいいのです。

 重ねて言いますがにゃんこに悪気はまったくありません。

 だからこそ魔女にとってはダメージがぱないのです。

「ぜ、絶対痩せてやるぅぅぅぅ!」

 涙目ですり鉢をごりゅごりゅする魔女なのでした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ