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国民的正義アニメに関する考察

「い、今のはなにーっ!?」

 かろうじて生き残りました。

 防御に使った杖がぼろぼろになりましたが、シロは生き延びました。

 そして『にゃんぱんち』の謎に迫ります。

「ええと、『にゃんぱんち』だよ」

 にゃんこはあっさりと答えます。

 しかし答えになっていません。

「ただの魔力パンチだよ。命名は私の趣味だけど」

 魔女が代わりにこたえてくれました。

 凶悪な魔力を拳に凝縮して、そこに回転を加えてさらに威力を増したパンチです。

「そ、そうなの……」

 脱力しつつもシロは納得しました。

 紅の魔女の使い魔ならばあの凶悪な魔力運用もアリだと思ったのかもしれません。

「ネタの大本は私の故郷の国民的正義アニメなんだけどね」

「あにめ?」

「んー。強いて言うなら映像作品?」

「よく分からない」

「だろうねぇ」

 この世界に映像作品は存在しないようです。

 ワールドギャップここにアリ、みたいな。

 もちろん魔女の言う国民的正義アニメとは、みんな大好きあんこの詰まったパンが活躍して黒いばいきんをやっつけるアレです。

 あ●ぱんちならぬにゃんぱんち。

 魔女はあのアニメが大好きだったりします。

 どうして大好きなのかというと、あそこまで残酷なアニメが子供向けに作られているという事実が魔女の琴線にびんびん触れてしまうからです。

 具体的にはほぼ毎回頭部が新しくなっていること。

 つまり毎回主人公は生首をちぎられていることになります。

 しかも首なしで動きます。

 更にはお腹を減らした子供に自分の頭部をちぎって分け与えるのです。

 あ、そこは頭皮だよ。

 そのあたりは脳漿だよね。

 ああ主人公ってば脳漿はみ出ちゃってるよ!

 子供たち、それは頭部なんだよ。君は今脳みそを食べているんだよ。あんこに擬態した脳みそなんだよそれは!


 ……などとはあはあ盛り上がりながら見ていたものです。

 国民的正義アニメをなんだと思っているのでしょう。

 しかしちょっとだけ見方を変えれば確かにそういう面もありますよね。

  

「まあそういうわけでにゃんこの勝ちだね」

「びっくとり~!」

 えへへと嬉しそうなにゃんこでした。

 ますたぁの前で格好いいところを見せられたのでとても嬉しそうです。

「む~」

 そして使い魔にすら敗北して悔しそうなシロでした。

「でもまあにゃんぱんちを食らって無事ですんだのはなかなか見どころがあるね。にゃんこの練習相手としては悪くないかも。ねえ、にゃんこ。スパーリング相手欲しくない?」

「ほしい!」

「はいじゃあ決定。にゃんこのスパーリング相手になるって条件で弟子入りを認めてあげる」

「マジ!?」

「マジ。にゃんこにとってもいい刺激になるだろうしね」

「ありがと死しょーっ!」

「死しょー言うな」

 感激して抱きつきそうになったシロを容赦なく蹴り飛ばす魔女でした。

 シロ改め弟子一号の誕生です。



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