レッドゾーン突入
白の魔女あらためピンクの魔女が我ら紅の魔女に勝負を申し込んだところから物語は再開します。
「あらたまってなーいっ! あたしは白の魔女だっつーの!」
おっと失礼。
ついつい愉快な方向にナレーションしてしまいましたよ。
「こっちは不愉快よ……」
白の魔女、疲れ気味です。
「早い話が近い場所に魔女が二人いるから分かりやすくライバル宣言をしに来たとかそういう話? どっちが魔女として上なのかとか、本物の魔女の力を思い知らせてやるわとか、そういう話?」
魔女がコーヒーを飲みながらそんな風に言います。
「そ、その通りだけどその物言いだとあたしがものすごい安っぽい敵キャラというか雑魚キャラっぽく聞こえるからやめてほしいんだけど」
「いや、わざとだし」
「………………」
白の魔女が魔女を睨みつけます。
ここで本来なら火花が飛び散るところですが、魔女は彼女のことなどどうでもいいしライバル視するつもりもないので見事にスルーです。
火花は所詮火花のまま哀れにも鎮火してしまいました。
「ええと、最強の魔女の地位とか、正統派魔女の名前とか、そういうのはシロに譲るから帰ってくれない?」
「シロって何!?」
「え? だって『白の魔女』なんでしょ? だからシロ」
「犬みたいな呼び方するなーっ!」
余計に怒り狂ってしまう白の魔女、もといシロさんでした。
「とにかく勝負よ勝負!」
「えー。面倒くさい~」
「勝負しないんだったらあたしの勝ちにするわよ!」
「うん。好きにすれば? 勝敗とかどうでもいいし」
乗り気になった勝負ならともかく、相手の都合で仕掛けられた勝負とかマジでどうでもいいようです。
「……何がどうあってもあたしとの勝負を受けないつもりね?」
怒りに拳を震わせながらシロが魔女を睨みつけます。
「うん。面倒くさいし、どうでもいいし。というか迷惑だし」
「あっそう! じゃああたしの勝ちってことで戦利品をもらおうかしら」
「してもいない勝負でそんな図々しい事言われてもな~」
そろそろ勝負とか関係なくぶちのめしてやろうかしらんなどと魔女の思考回路が暴力推奨モードに移行しつつあります。
某ロボットアクション風に言うなら『総員、第一種戦闘配備!』みたいな感じです。
しかしシロはそれに気づきません。
「ふふふ。そうねえ。じゃあそこの頭の悪そうな猫でももらいましょうか」
「うにゃ? ぼく?」
いきなり戦利品扱いされたにゃんこはギョッとしてしまいます。
「………………」
そしてその瞬間、ブチイッ! という音が部屋の中に響くのでした。
魔女っ娘の世界をより一層楽しめる!……かもしれない設定ページ「さなぎマテリアル」を始めました。
裏話や意外な設定があったりなかったり。
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