ピンク言うな!
「だから、あたしと勝負しなさい!」
「えー……」
いきなり現れて魔女の迎撃魔法で撃墜された挙げ句、ぱんつ丸出しで地面に埋まって、それでもめげずに復活しようとして更に骨アタックを喰らって気絶していた少女は、復活するなりそう言いました。
ちなみに骨アタックの後は一時間ほど意識を失っていたのですが、その間魔女は少女を外に放置していました。
にゃんこは気になっていたようですが、ますたぁ命令で干渉を禁じられています。
結局、スカルくんが壁際に運んでそっとしておくという対応をしたようです。
踏んだり蹴ったりぶつけられたり色々と災難な少女でした。
「そもそもあなた何者? 勝負しなさいとか言われる筋合い全くないんだけど」
家の中でやれやれと溜め息をつく魔女でした。
「しょーぶ? ますたぁと?」
「しないから」
興味深そうに呟いたにゃんこの言葉をバッサリと切り捨てます。
「あたしは白の魔女。ここから山二つ離れた場所に拠点を持つ腕利きの魔女よ」
少女、白の魔女は名乗りを上げます。
しかし我らが魔女は首を傾げました。
「白……?」
「そうよ。あんたは紅って呼ばれてるんでしょ?」
「そりゃ呼ばれてるみたいだけど。知らないうちに。でもそんな事を言いたいわけじゃなくて」
「?」
「白じゃなくてピンクだったじゃん。ピンクの魔女じゃ駄目なの?」
「誰がぱんつの色で名乗るかーっ! というかその言い方だと滅茶苦茶いかがわしい魔女っぽいじゃない!」
ピンクの魔女。
何事も頭にピンクをつければそれなりにいかがわしくなるものですが、ピンクと魔女は予想以上に爛れたイメージを与えてくれます。
ピンクチラシ、ピンクコンパニオン、ピンク映画などなど。
魔女も例外ではなかったようです。
「それもそうか~。で、そのピンクさんはどういうご用件でうちに来たのかな?」
「ピンク言うな!」
「えっと、じゃあももいろ?」
「いいね。桃色も結構いかがわしいかも。桃色体験、桃色吐息って言葉もあるしね~」
一体どこでそんな言葉を覚えたのでしょう?
一応まだ十三歳ですよ、この魔女は。
「だからまずそのいかがわしさから離れろーっ!!」
ピンクの……ではなく白の魔女がぶち切れてテーブルを叩いてしまいます。
勝負をしに来たはずなのにいつのまにかピンク桃色で盛り上がりトークを繰り広げられ、リアルタイムでトラウマを植え付けられている哀れな白の魔女なのでした。
魔女っ娘の世界をより一層楽しめる!……かもしれない設定ページ「さなぎマテリアル」を始めました。
裏話や意外な設定があったりなかったり。
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