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わたしの居場所

 ハーフ少女は歌います。

 心を込めて、思いを込めて歌います。

 船旅を楽しむ人たちは、その声に聴き惚れてしまいます。

 魔女もにゃんこも前身である音痴ヴァージョンを知っているだけに、この変わり映えは素晴らしいと感じています。

「ねえ、ますたぁ」

「ん?」

「どうしてぶたいでうたわせたの? はずかしそうだし、もうちょっとばかずをふんでからのほうがよかったんじゃない?」

「そうでもないよ。舞台度胸っていうのは経験しながら身につけていくものだしね。それに歌を歌いながら生きていきたいっていうあの子の願いは、きっとこういうことなんだと思うし」

「?」

「歌で人を惑わすセイレーンは、褒め称えられながらも忌み嫌われてるでしょ? でも人間の歌で純粋に楽しんでもらえるあの子の歌は、喜びと共にある。一度でもみんなに聴いてもらえればもう一度聴きたいと思わせるほどにね」

「うー、つまり?」

「海で人を惑わせるセイレーンじゃなくて、船の上で人を喜ばせるセイレーンの誕生ってわけ。あそこまで目立ったらきっと船長が放っておかないよ。いい客寄せにもなるし、専属シンガーとして雇ってもらえるんじゃないかな」

「あ、なるほど。それであのひとのねがいがかなうんだね!」

「そゆこと」

 どうやら強引に舞台へ上げたのは、ハーフ少女にシンガーとしての職を持たせてあげようという思惑のようです。

 ハーフ少女が歌い終わると観客は惜しみない拍手を送ってくれます。

 アンコール声援が続く中、照れつつはにかみつつ次々と歌い続けます。

 ついさっきまで泣いていたハーフ少女はとても幸せそうでした。

 彼女はこの瞬間、自分の居場所を見つけたのです。



魔女っ娘の世界をより一層楽しめる!……かもしれない設定ページ「さなぎマテリアル」を始めました。

裏話や意外な設定があったりなかったり。

アルファポリス雑学趣味大賞にエントリー中です。

気が向いたら投票してくれるととっても喜びます(^o^)

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