表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
143/363

原因解明だ! 舞台へれっつらごー!

「つまりあなたがハーフであることが原因だと思うわけよ」

 ハーフ少女の歌が音痴であることの理屈として、魔女はそんな考察をしてくれました。

 人間の歌を歌うときには天上の歌声になってくれる理由にも説明がついてしまう素晴らしい理屈です。

「どういうことですか?」

 ハーフ少女は首を傾げます。

 自分の秘密ですから興味津々です。是非とも知っておきたいと思っています。

「だから、あなたの身体は……というか恐らく性質は、セイレーンよりも人間寄りってことだと思うのよ。セイレーンの歌を紡ぐにはセイレーンの性質が必要になる。歌と性質が合わさることによって引きつけられる魔性が生まれる」

「なるほど」

「だからセイレーンの性質が弱いあなたにはセイレーンの歌は向いていない。むしろド音痴の騒音効果でしかなくなる」

「………………」

「でも人間の歌は別だね。元々は祝福された歌声を持つセイレーンの性質を引き継いでいるから、歌そのものは優れている。セイレーンではなく人間の歌を紡ぐことによってあなたの性能は最大限に発揮されるってこと」

「じゃあわたしはこれから人間の歌をベースにしていけばいいんですか?」

「そういうことだね。ハーフだからってセイレーンの歌に拘りすぎたのが敗因ってゆーか。あれだけ綺麗に歌えるんだから人間の歌でも十分でしょ」

「それはもちろん。歌うことさえ出来ればわたしは満足ですから」

 ハーフ少女は頷きました。

「よし。じゃあ食堂に簡易舞台があったからそこで歌っちゃえ」

「ええっ!?」

 いきなりの展開にビックリするハーフ少女です。

「何怖じ気づいてんのよ。歌で生きるって決めたんでしょ? 今から人前に出る努力をしないでどうするのさ!」

「それはそうですが心の準備ってゆーか……」

「人生はいつだって行き当たりばったりが基本!」

「えー……準備できるときは準備をするべきだと思うんですけどぉ……」

 気弱なハーフ少女は涙目で首を振ります。

 さっきまで散々音痴呼ばわりされていたのでいきなり人前で歌う自信がないようです。

 無理もありません。

「いいからいいから。そろそろ食事時だし。さあれっつらごー。にゃんこ、その子引き摺ってきて~」

「うん。わかった~」

 修行を積んだにゃんこは見た目に反して腕力があります。

 少女一人を引き摺ることぐらい昼飯前の酒の子さいさいです。

「うわーんっ!」

 悩みが一つ解決されたと思った矢先に新しい悩みをぶつけられたハーフ少女は、涙目のまま食堂へと引き摺られていくのでした。



魔女っ娘の世界をより一層楽しめる!……かもしれない設定ページ「さなぎマテリアル」を始めました。

裏話や意外な設定があったりなかったり。

アルファポリス雑学趣味大賞にエントリー中です。

気が向いたら投票してくれるととっても喜びます(^o^)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ