放置プレイしています。
「♪ ~~♪ ~~~♪」
船の後方で一人の少女が歌っていました。十五歳ぐらいの可愛らしい少女でした。
歌詞はよく分かりません。
どうやら人間の言葉ではないようです。
しかし下半身が鳥ではないのでセイレーンではないのかもしれません。
「音痴だね……」
「うん、おんちだね」
「っ!!」
その歌を聞いていた魔女とにゃんこは正直な感想を漏らしました。
そしてその感想は少女に聞こえてしまいました。
「うぅ……」
少女は魔女達に振り返って涙ぐんでしまいます。
音痴と言われたのがよほど傷ついたのでしょう。
「あ……泣いちゃう……」
「ますたぁがなかせた……」
「にゃんこだって音痴呼ばわりしたじゃん!」
「ぼくおんなのこをなかせたなんてふめいよこうむりたくないもん!」
「黒い! にゃんこがいつの間にか黒く育ってるよ!」
マスターに自分の罪をなすりつけるような子に育てた憶えはありません。
魔女の教育というよりは外部との接触により悪影響を受けたとしか思えません。
……といった感じで魔女も内心では他の誰かに罪をなすりつけています。
ペットは飼い主に似るのです。
にゃんこが黒くなったということは、魔女のドSが影響していることは間違いありません。
しかし魔女は認めないでしょう。
断じて認めないはずです。
そんな醜いやり取りをしていると、少女が更に泣きだしてしまいました。
「うわああああぁぁぁぁぁんっ!!」
「げ」
「にゃう」
泣きだしてしまった少女を前にしてどうしたらいいか分からずに、魔女達はおろおろしてしまいます。
「ど、どうする?」
「どうしよう……」
「逃げちゃう?」
「それはあんまりだとおもうけど……」
関わり合いになると面倒臭そうなので、このまま放置プレイを選択しようと思っていた魔女ですが、にゃんこが気にしているようなので困ったように頭を抱えてしまいます。
しかし泣いている少女を慰める言葉なんて魔女は持ち合わせていないので、結局のところ立ちつくすだけで、放置プレイになってしまいました。
魔女っ娘の世界をより一層楽しめる!……かもしれない設定ページ「さなぎマテリアル」を始めました。
裏話や意外な設定があったりなかったり。
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