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勇者語り15

 そんな話し合いが続く中(お酒を呑みながら半分宴会のような様相で)、魔王は勇者に一つ忠告をしてくれました。

「そうそう、これは純粋に勇者が心配だから忠告してやるのだがな、あまり人間に関わらない方がいいぞ。多分、ロクな目に遭わない」

「何とも魔王らしい台詞だな。人間が嫌いか?」

「いや! ロリ美少女ならば人間でも魔族でも大好きだ!」

「……あっそ」

 萌えに目覚めた存在に種族の垣根は存在しないようです。

「こほん。そうではなく」

「違うのか?」

「いや。ロリは大好きだが!」

「………………」

 色々と言いたいことはありましたが、ここで余計な突っ込みを入れるとまた話が脱線しそうな気がしたので口を噤むことにしました。

 勇者は学習能力がとても高いようです。

「まあ余が説明するよりも見せた方が早いな」

 そう言って魔王は大きな水晶玉を黒鍵騎士に運ばせてきました。

「占いっぽいことも出来るのか?」

 水晶玉を見た勇者は首を傾げます。

 魔王に水晶玉という組み合わせはちょっと意外だったようです。

「余は魔王だぞ。占いぐらい出来なくてどうする」

「その定義は分からない」

「つまり魔王とは万能タイプなのだ」

「そうなのか?」

「……正確には陛下の能力ではなくその水晶玉の能力ですが」

 意味のない自慢話を始めた魔王に黒鍵騎士がそっと突っ込みを入れます。

「ああっ! せっかく余の能力だと思わせておきたかったのに余計なことを言うでない!」

「お言葉ですが、自身の能力以上のことを自慢げにするのは王の在り方としてどうかと思われます」

「ぐ……」

 黒鍵騎士は容赦がありません。

 この頃はまだちょっと頭が堅い感じです。

 魔女にもふもふセクハラをされるころにはもうちょっと柔らかくなっていますが。

 というか魔女にほぐされた感じですね。セクハラを通してというのが微妙なところですが。

「この水晶玉は簡単な未来を占うことも出来るが、遠見としても使用することが出来る優れものなのだ」

「遠見?」

「遠くにあるものを見ることが出来る、ということだ。まあ見せた方が早いということで水晶玉起動、遠見モード!」

 水晶玉がぱあっと光って映像を映し出します。

 マジックアイテムの癖に起動シークエンスが微妙に電化製品っぽいのが微妙なところですが。

「あ……」

 そこには、遠く離れたカルラド大陸のレヴェンス王が映っていました。



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