勇者語り08
「つまりな、未成熟な少女とは一種の神秘だと思うわけだ」
「………………」
「人はロリコンなどと嘲るが、それはその素晴らしさを知らぬ無知ゆえの所業なのだ」
「………………」
「ぺったんこな胸! くりくりとした瞳! あどけなさの残る童顔! これこそオスを刺激する最大限の萌え!」
「………………」
「……だと思う訳だが勇者の意見はどうかな?」
「………………」
月詠の里までやってきた勇者は、なぜか魔王陛下のぶっちゃけロリコントークに付き合わされてしまいました。
そもそもこの時代に『ロリコン』や『萌え』などという言葉が存在したかどうかも怪しいのですが、そこは異世界ものということでいろいろと誤魔化されてください。駄目とか言わないように。
「どう、と言われてもなぁ。俺は普通にぼいんぼいんの方が好きっつーか」
「なんと! お前は敵か!」
「いや、もともと敵だろ? 勇者と魔王だし」
「むう! ぺったん胸の素晴らしさが分からぬとは男の風上にも置けぬ」
「一生分からなくてもいいと思う」
勇者と魔王は相容れない存在ですが、まさかこういう部分で相容れないとは思わなかったようです。がっくりと脱力する勇者なのでした。
「……そもそも何でロリコンネタになったんだっけ?」
「うむ。それは和平交渉の為だ」
「……はい?」
和平交渉の為にどうしてロリコンネタが必要なのでしょう?
理解に苦しむ勇者でした。
勇者でなくとも理解に苦しむでしょう。
「戦うのは構わないが潰し合いはしたくないのだ」
「……殺し合いたくないってことか?」
「その通り」
「で、なんでそこでロリコンネタ?」
「うむ。それはな、ロリの素晴らしさを理解してもらえれば我らはロリコン同盟を結ぶことができるだろう? 同じ趣味を持つ者同士なら分かり合えるはずなのだ」
「いや、だから俺はロリコンじゃねえし……」
「どうしても駄目か?」
「ロリには食指を動かされないからなぁ」
「ならばぼいんを用意しよう」
「はい?」
「魔族の中にもかなりの美女はいるのだぞ。彼女たちに今から勇者を接待するように命令を出そう」
「なんだとーっ!?」
「それならどうだ?」
「いやいや待て待て。そういう職権乱用みたいなことはよくないと思うんだよ」
「そうか。ならばロリ接待に切り替えるか」
「ぼいん接待でお願いします!」
どんどん本来の目的から脱線していく勇者なのでした。
これでいいのか勇者さま! みたいな?
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