バレンタインの復讐01
「ハッピーバレンタイン!」
「うにゃ?」
魔女はラッピングされた可愛らしい包みをにゃんこに渡してあげます。
「チョコレートだよ」
「にゃう!」
「二月十四日はバレンタインだからね。にゃんこにチョコをプレゼント」
今回は久し振りにシーズンネタです。
女の子にとっては恋の気合一発バレンタイン!
男の子にとってはモテ男に対する憎悪の念を募らせるヘイトデイズ!
モテ男が、モテ男がいるから! モテ男がチョコを独り占めするから俺達にチョコが回ってこないんだ!
つーか俺達のもチョコを!
義理チョコでもいいからプリーズ!
……みたいな感じで逆恨みを募らせたり勝手に失恋したりするドタバタな日でもありますが、異世界にそんな習慣は無かったらしく、魔女とにゃんこの平和なやりとりがあります。
「ばれんたいんってなに?」
「女の子が大好きな男の子に手作りチョコレートを渡す日だよ~」
「だいすき?」
「うん。だいすき~」
ぎゅ~っとにゃんこを抱き締めます。
恋愛感情というよりはペットにかける愛情ですが、そこに萌え要素さえあれば問題なっしんぐです。
別に手作りチョコである必要はありませんが。
ある意味では市販品の方が安心して食べられますし。
最近は俗に言う『恐怖の手作りチョコレート』などが流行っていたりもしますしね。
バレンタインが近づくと魔術関連のサイトで『食べた人が自分に好意を持つようになるチョコレートの作り方』などという怪しげなレシピが何パターンも紹介されていたりします。それらの中には、溶かしたチョコレートの中に自分の血を加える、自分の髪の毛を細かく切って加える、自分の爪を切って粉末にして加える、さらには●●毛などを加えるようなおぞましいレシピが平然と紹介されています。
知らずに食べさせられた男の子達はご愁傷様です。
もちろん魔女のチョコレートは普通です。とっても美味しいチョコレートです。
「ますたぁ。すっごくおいしいよ!」
もぐもぐとチョコレートクッキーを頬張るにゃんこはとても幸せそうです。
「そりゃよかった。全部食べていいからね」
「うん!」
もっきゅもっきゅ。
にゃんこはとっても幸せそうです。
本日はシーズンネタです。
7・8・9時更新の三本立てであります。
魔女の復讐はとっても恐ろしいです。




