第6話
一輝の目の前に立っている黒い無人のアーマードは両腕にガトリングガンらしき物を装備しているのに攻撃せず一輝を見つめ立ったままだった。
隙を見て切りかかるつもりで木の上に隠れていた桜子も驚きを隠せないでいた。
「何あれ。新型なの?」
一輝たちが黒いアーマードが無人だとわかったのは本来人が乗るべき部分には人に似せて作られた四つの目玉が顔のにあるだけの白い人形のような機械が乗せられていたのだ。
その人形のような機械は四つの目を使い一輝をデータ照合していた。
「攻撃してこないのか?」
一輝がそうつぶやいた次の瞬間黒いアーマードは四つの目を赤く光らせジェネレータを最大出力で稼働させ吠えるように大きな音をたてながら右腕に装備されたガトリングガンを発砲してきた 。
「やばい!!」
一輝は横の茂みに思いっきり飛び黒いアーマードの放った弾をなんとか回避したが撃ち続けたまま一輝の方向へ銃口を向けてくる。
一輝が避けた弾は至るところに立っていた木に当たり木は思いっきり体当たりしたら倒れるのではないかと言うくらいに穴だらけになっていた。
一輝はアーマードに装備されたバーニアを使い地面すれすれに浮き滑るように高速で動きなんとか蜂の巣状態になる事はなかったが全ての弾を避けきることは出来ず数発当たってしまいシールドエネルギーを少しずつ奪われていった。
木の上で隠れている桜子は切りかかるチャンスだと感じサブマシンガンを腰の当たりにある固定アームに固定し近接用ブレード「小雪」を両手で握りしめ木を蹴ると同時に背中のバーニアも使いまるで獲物を捕らえようとする鷹のような勢いで黒いアーマードに切りかかってゆく。
「もらったぁぁ!!」
桜子の降り下ろした刀は見事左手を切り裂いたかのように見えたが黒いアーマードの手は傷一つついておらず逆に小雪は刃こぼれをして切れない状態になっていた。
「う、うそ。」
桜子はあまりの驚きにその場で固まってしまい黒いアーマードに反撃の隙を与えてしまい黒いアーマードの左手から繰り出される強力な凪ぎ払いにより吹き飛ばされてしまった。
「きゃぁぁ!!」
「桜子!!」
桜子はアーマードのシールドによって強力な 一撃のダメージを軽減する事はできたが吹き飛ばされたあと何本もの木にぶつかり破壊して吹き飛ばされたあと急いで先回りした一輝にキャッチされ止まる事ができた。
「桜子、大丈夫か?」
「な、なんとかね。うっ。」
「無理すんな。」
桜子は脇腹を抑え苦しそうな顔をしていたので一輝は桜子を抱え全力で黒いアーマードから離れた。
黒いアーマードは一輝たちを追わずその場に立ったままただ一輝たちを見つめていた。
一輝はなぜ追ってこないんだと言う疑問を抱くも今は桜子を安全な場所へ運ぶことが優先だと思い考えるのは後にした。
移動中に一輝は先生たちと連絡をとろうとしたがなぜか連絡がとれず雑音だけが流れていた。
「なんで返事が返ってこないんだ!!本部応答願いします。先生聞こえてるんでしょ!?」
一輝が何度呼んでも返ってくる返事はなかった。
森の中を滑って進んでいると熱源反応が一つ一輝たちに近づいてくるのがわかった。
それは彰炎だと直ぐに気づく。
「よかった、桜子が怪我しちまって」「シールドが破られるだけの攻撃なんて。桜子の怪我は大丈夫なの?」
彰炎は心配そうな顔だった。
「右腕を切られて出欠がひどいんだ。一応血は止まってる。早く治療が必要なのに先生と連絡がつかないんだ」
「とりあえずフィールドラインまでいってみよう」
一輝は桜子を抱きかかえ彰炎と共に指定領域の一番端の攻撃が外にでないように設置したシールドラインまで下がることにした。
シールドラインは戦車10台をもってしても突破はできないだろう。
二人はシールドラインのところまでやって来てもう一度連絡を取ってみた。
しかし結果は同じ。
一輝は何もできない悔しさからか苛立っていた。
その時後ろから一輝たちを襲ったアーマードが現れいきなり撃ってくる。
桜子を抱えた一輝と彰炎は近くにあった大きな岩の後ろに素早く隠れ様子をうかがう。
「一輝あれは何?」
彰炎は冷静な顔をして一輝に訪ねてみた。
「俺にもよくわからん。ただ言えることはあいつは無人機だ。そして桜子に怪我をさせた張本人だ。」
「なるほど。ここから逃げるにはあれをやるしかないみたいだね」
彰炎はアサルトライフルとサブマシンガンを手にしていた。
「そぉだな。ここより後ろには下がれないしな」
二人は同時に岩影から飛び出して行く。