表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/25

第八章 新しいメンバー

ついにパーティーが三人に!

セラの反応は……まあ、予想どおり波乱含みです。


チーム名を決めたり、初の三人旅の準備をしたりと、

にぎやかな幕開けになります。

宿に戻ってエランの話をセラにした途端、彼女の機嫌が急降下した。


「そんな大事な話、なんで勝手に決めてくるの!」

「論理的に考えて、問題はないと判断したから。」

「そういうことじゃない! 私はどうなるのよ!」

「もちろん、セラはメンバーのままだ。」

「ちがーう!!」


藤崎には、セラが何に怒っているのかまったく理解できなかった。


「ちょっと、そこに座って!!」

「はい。」


セラは腕を組み、真剣な表情で言い放つ。


「いい? 私たちはバディ、相棒なの。依頼遂行中は一心同体、一蓮托生、運命共同体なのよ。分かる?」

「はい。」

「冒険者は常に緊張感を持って行動しなきゃいけない。意思の疎通が不十分だと、それが命取りになることだってあるの。だから普段から親密な関係を築くことが大事なの!」

「はい……?」

「なのに、どこの馬の骨とも分からないやつが入ってきたら、関係を深めるチャンスが減るじゃない。そんなのありえない!」

「あの、ちょっと……。」

「何か文句ある?」


藤崎はセラをじっと見つめた。

何を言ったか気づいたのか、セラは急に顔を赤くする。


「あわわ、と、とにかく私は反対だからね!!」


そう叫ぶと、セラは勢いよく自室に駆け込んでいった。


翌日。

ギルドでエランとセラが顔を合わせた。


「よろしくね、セラちゃん♪」

「……よろしく。」


昨日のこともあり、セラは文句を言わなかったが、明らかに表情が硬い。


ため息をついた藤崎は、受付に向かい依頼掲示板を見ていた。


「藤崎さん、D級になったんですね。おめでとうございます。」

「ありがとう。あと、パーティーメンバーも増えたから。」

「エランさんですね。では正式にパーティー登録をしますので、名前を決めてください。」

「名前?」

「はい。3人以上になると、パーティー名の登録ができるんです。」

「なるほど、名前か……。」


「はいはい!! ツインアローで決まり!」

セラが勢いよく叫んだ。


「私たちは二人でひとつ、矢のように一直線に進むのよ!」

「二人じゃないじゃん。」

エランが即座に突っ込む。


「私は《ルミナス・コード》がいいと思うの。光が導く運命の糸――なんかおしゃれでしょ?」

「ぜんっぜん良くない!!」

「あなたのよりはましよ!」


二人の言い合いが白熱する中、藤崎が小さくつぶやいた。


「……エンにしよう。」


「え?」

二人が同時に振り向く。


「チーム・エンだ。」

藤崎は静かに続けた。


「“縁”でもあり、“円”でもある。私の世界の言葉は、一つでいくつもの意味を持つ。この“エン”には、関係、つながり、そして丸く調和するという意味がある。」


少し間を置いて、藤崎は微笑む。


「チームは関係性の輪であり、誰が増えても減っても丸くつながっていける――そういう意味を込めたい。」


エランとセラは顔を見合わせ、同時にうなずいた。


「……悪くないわね。」

「まあ、響きはいいかも。」


「じゃあ、チーム・エンで決まりだな。」

藤崎がそう言うと、受付嬢が微笑んだ。


「素敵な名前ですね。では、登録しておきますね。」


「さてと、新しい依頼を探すか。」


セラとエランは受付嬢と話し込んでいる。

パーティーがD級になったことで、受けられる依頼の幅が広がった。


「やっぱりモンスター討伐でしょ! 報酬が段違いにいいわよね。」

「いきなり討伐は危険すぎるわ。まずは護衛任務で実績を積むべきよ。」

二人の意見は真っ向から対立。受付嬢が困った顔をしている。


藤崎はため息をつき、掲示板の方へ歩いた。

せっかく三人になったのだから、全員の力を発揮できる依頼がいい。


「これなんかどうだろう。」

藤崎は、まだ言い争う二人を横目に受付へ羊皮紙を差し出した。


「詳しい内容を教えてくれる?」

受付嬢は依頼票の束から一枚を取り出した。


「こちらですね。センターラ街の巡回兵が四名、行方不明になったので捜索してほしいという依頼です。」


説明によると、センターラ街の近くには毒霧の発生する沼地があり、巡回兵が立ち入りを防いでいたが、その兵たちが消息を絶ったという。


「最近掲示されたばかりで、まだ誰も受けていません。」

「よし、受けよう。」

「では手続きを進めますね。」


宿に戻り、藤崎は依頼内容を二人に説明した。


「センターラ街って、ここから二日くらい歩いたところにある町ですよね。沼があるのは知ってたけど、行方不明になるほど危険とは聞いてないけど。」

「私も何度か行ったことあるよ。小さな町だから、聞き込みしたら何か分かるかも。」


藤崎たちは必要な装備を整え、センターラ街へと向かうことになった。

チーム名「エン」、けっこう気に入ってます。

縁・円・そして“つながり”――藤崎らしい命名ですね。


次回はさっそく初任務へ出発!

センターラ街で、またひと波乱ありそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ