7.目覚め
ここまでで一区切りとなります。
区切りの関係で短めです。
あれから3日ほどたっただろうか。このまま何か月も目を覚まさないのかと不安を感じ続けたが、そのときは思ったよりも早く訪れた。
「...あれ?暗ちゃん?ど、どうしたの?」
秘目が目を覚ましたのだ。
「秘目...よかった...もう、目を覚まさないかと...」
久しぶりに聞いたその声に、不安が消えていく。
「家で意識を失って...3日も起きなかったのよ...」
「3日!?そんなに寝てたの?...なんでこんなことに...」
どうやら本人にも何が起こったかわからないらしく、結局原因は不明のまま。また同じことが起こらないといいが...
特に異常は見当たらないが念のためもう1日入院して、いろいろ検査をしてから退院だそうだ。
...ひとまず、安心していいだろう。原因が分からないから安心はできないが、目を覚ましてくれた。それだけでいい。
生きて、話してくれるだけで。
次の日、本当に何事もなかったように話す秘目と共に帰宅した。ただ寝て起きたように、異常は全くないらしい。それは喜ぶべきことなのだが不安だ。原因が分からなければ対策も立てられない。今後また同じことが起こったら、私にできることはあるのか。
そんなことを考えながら帰り道を歩いていると、秘目が聞いてくる。
「そういえば暗ちゃん、学校に電話してたよね。私すごい寝てたらしいけど、大丈夫?」
「大丈夫よ。面談の予定は立ててたけど、それより秘目の体調の方が心配。学校と無関係ではないかもしれないし...」
こちら側から提案した面談だが、事情が事情なので延期することになった。私だけで参加することも考えたが、まともな精神状態ではなかったし、話し合いにならない可能性もあるし、なにより私だけで片付けてはいけないと思ったのだ。
「ならよかった。私のことなのに私が原因で無くなったら申し訳ないし。」
「もう何日か休んでから、話し合いましょう。焦らなくて大丈夫。」
何が原因かわからない以上、できるだけストレスを与えたくない。秘目の障害になるものはすべて排除して、幸せにする。
そのためなら努力は惜しまない。
決意を固めていると家についていた。
「ちょっと、怖い顔してるけど、大丈夫?」
「ええ。この後のことを考えていただけよ。」
そう、この生活を守るために。
「ただいまー。ま、だれもいないけど。暗ちゃんおかえり。」
「ただいま。秘目、おかえり。」
まずは学校関係をどうにかしないと。秘目を障害から遠ざける。
秘目と幸せになるために、生きているのだから。
次回から学校関係へ。
主要人物の紹介は一旦終了。




