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第12章  超上級魔導師の決意


(マッツイ=ガガリンの心の内)


 それにしても、王太子が魅了魔法もどきを掛けられる羽目になった理由を聞かされた時、俺はシシリーナ公女と同じくらいに腹が立った。まあ、その理由は全く違うが。

 

 俺にとってアニタは唯一の女だ。彼女以外の女はいらない。

 しかし、王太子は違ったということに怒りが湧いたのだ。

 もちろん、婚約者のことを好きになることは悪いことじゃない。むしろ好ましい。

 だが、贈り物に悩むくらいに公女を思っていたのなら、その時点でもうアニタはいなくてもいいと思っていたってことだよな。もちろんそれは恋愛対象としての話だ。

 それなら俺が我慢する必要はなかったんだと、激しい怒りが湧いたのだ。

 

 元々俺にはアニタを譲る気なんて一切なかった。どうせアニタが王太子に抱いている感情は、息子を想う母親の愛情と変わりないことくらいわかっていたからだ。

 それに、平民で孤児のアニタが王太子妃になれる可能性なんて、最初からないんだから。

 とはいえ、王太子の本当の想いなど本人に訊いてみなきゃとわからない。

 だから、あいつが正気を取り戻すまでは、アニタを側に置いといてやろうと考えたんだ。

 そう、三年は待ってやるのがフェアだろうと思ったんだ。すんごく辛いし嫌だったが。

 

 それなのにくそったれ!

 

 王宮のやつらは、アニタをこれまで散々利用するだけ利用しておいて、公女に命じられたからって簡単に追い出しやがった。

 いくら公爵家の力が強いからといって、国王夫妻がまだ息子の婚約者に過ぎない公女の言いなりになるなんて、そんなこと、許せるわけがない。

 まあ、第二王子のしでかしのせいで、公女に散々迷惑をかけてしまい、その申し訳なさもあったのかもしれないが。

 俺は、王宮とドードール公爵家の一部を吹き飛ばしてやった。



 その後、アニタは西の塔に住むようになっていた。そこはこの国で一番危険で、一番安全な場所でもあった。

 アニタに何かあったらこの国が吹っ飛ぶことが世間に周知された。だから、国の安全のためにここに住まわされた……というわけでない。

 

 アニタはマッツイ=ガガリンの婚約者になったのだ。そしてその婚約者の仕事を手伝うために西の塔に住んでいるのだ。

(彼女はその後にちゃんと官吏試験にトップで合格したのだった)



 ちなみに、ガガリンは王宮とドードール公爵家の一部を吹き飛ばしたが、なんの罪にも問われなかった。

 それは彼らがガガリンに力的に叶わなかったというのが一番の理由だったが、対外的にガガリンを罰しなくても済む理由があったのも大きい。

 なんと、ガガリンが放った魔力がハリスコ王太子の脳を刺激し、彼を正気に戻したのだ。もちろん男爵令嬢のリーシャのことも。

次章で完結になります。続けて19時10分に投稿します。


読んでくださってありがとうございました!

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