表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

きっかけって大切

あまり落ちのない日常のお話でございます。

お暇ならお付き合いください。

水曜日の事である。


朝起きたら右の上の奥歯が激痛だった。

虫歯って、急に激痛になるものだっけ?


すごい痛い。

我慢できない!

とりあえず、腰用に処方してもらっている痛み止めを飲んで仕事に向かう。

これで、とりあえず痛みとはオサラバだ。


アホな私は、少し口が開いている。

だから、日中は歯の痛みを忘れてしまっていた。

そして、お昼サラダを食べた。


「痛い!!一口目のトマト噛んだら死ぬほど痛い!」

コンビニのトマトに何か仕込まれているのか?

そう疑いたくなるくらい激痛だった。


何故だ?

サラダのキャベツなんて痛くて噛めたもんじゃない。


とりあえず痛くない左で噛もうとするけど

うまいこといかない。

痛い痛い痛い。


でも食いしん坊だから食べる。


そもそも、何故こんなに痛いのだろうか?

しかも激痛だ。


考えてみると、前日の夜中、ありえないくらいに強烈に足がつったのだ。

これも腰からくると言われて、漢方薬を処方してもらっている。


でも、激痛なので、いざつると、もう悶絶して動けない。

ここで、困ったのは、足の指と脛がつる。

そして、その後にふくらはぎという順番でつることだ。


もう、ふくらはぎを伸ばそうとするとスネが再度つり、足の指を伸ばそうとするとふくらはぎが再度つり。


と、もう脱出ゲームか、はたまたピタゴラスイッチか、というくらい、どこも連動している。



その痛みが1時間くらい続いたのだ。


ここで、自分の凄さに驚くのは、痛い痛いと言いながら半分寝ている所だ。

……歯を食いしばって。


そう。

歯を食いしばって!


1時間も奥歯を噛み締めていたら、そりゃ痛くなるわ。

しかも2回も。

つまり、合計2時間。

寝る前と、寝た後。


で、トマトも噛めないくらいの激痛に見舞われた。

そうだ。

歯を食いしばったからなら、明日になれば治るはず。


と思ったけれど、3日経っても、激痛は改善しない。

もしや、原因は単純なる虫歯なのかもしれない。


夜中にネットから歯医者さんを予約した。

初めて行く歯医者さんだ。


激痛でトマトも噛めないが、それでもご飯はちゃんと食べて、歯医者さんに向かう。

怖い先生だったらやだなぁ、と思ったが、優しい白髪混じりの先生だった。


症状を説明すると、先生は、金属的なもので歯をトントン叩いた。

「いかいれす」

口を開けたまま私が答えた後、レントゲンを撮った。


虫歯がない。

先生曰く、

「銀歯を外してみないとわからないけど、虫歯ではありませんね。レントゲンを見る限り、神経も抜いてあるし、歯茎も腫れてないし。親知らずもないし」


そう説明した後、再度口の中を確認する。

そして、また痛い歯をコンコンした。

「いかいれす」

私は口を大きく開けたまま、また答える。


「虫歯じゃないから治療はできませんね。原因がわからないし。きっと歯軋りしたとか、強く噛み締めたとかではないかと思いますよ」

先生は申し訳なさそうに、おずおずと説明してくれる。


ここで腰のことを説明すると、先生はうんうんと頷いた。

「虫歯じゃないので治療はありませんし、痛み止めもお持ちですね?それを飲んで様子を見てください」

痛がる私に何の処置もせずに返す事に、先生は申し訳なさそうだ。

「薬はありますから、いりませんよ」

私は真顔で答える。

本当にいらないのだ。



何故なら、その薬は欲しくないから。


この歯医者さんの受付をしている時、帰っていく患者さんが「痛かったらカロナールを飲んでくださいね。一度飲んだら8時間は間を空けてくださいよ」

と言われるのを、問診票を書きながら聞いていた。


カロナールか……。

1度目の手術をした後、二ヶ月後、当時の主治医から、

「カロナール効いてますか?気休め程度でしょ?ロキソプロフェンと併用しないと効かないでしょ?ロキソプロフェンは、単独で効くでしょ?」

と言われた。


その通り。

カロナールだけを飲んでも効果なし。

「その通りです」

と答えると、

「カロナールは気休めだね」

と言われたので、我が家ではカロナールは『気休め』という名前で呼んでいる。


歯が痛くなって『気休め』しか処方されないのなら、薬はいらない。

申し訳なさそうな先生に、笑顔で別れを告げ、そのまま整形外科へ向かった。


手術した病院ではなく、術後リハビリをしていた病院の方に急いで向かう。

そして、整形の先生に、水曜日の地獄のツリ合戦の話をした。


ここの先生は、めちゃくちゃテンポ良くお話してくれて、しかも優しい。

「じゃあ足を揃えて座って」

と言われて、私は、ベッドの上で、床に座るようにして足を伸ばして座った。


「じゃあ、どこまで曲がる?」

と前屈をさせられる。

「曲がりません」

「そっかぁ。それなら、体育座りをして、その状態で足首を触って」

言われた通りにする。


「ここから膝を伸ばして」

「伸びません!」

先生が言い終わらないうちに被せるように言う。

「体が硬いから足がつるんだよ。リハビリに通ってください」


結論は……そこなのか?

それで、2時間も耐えて、歯まで悪くするのか?

悲しくなった。


体が硬いからなのか……。

私は決意する。体を柔らかくしよう。


そして、すぐに人生初のヨガの体験予約をネットから入れた。

それを相方に言う。

「初ヨガに行ってくるわ」

「よがるの?」

「はい。よがります。歯が痛いから、よがります」


ヨガを始める理由が歯のため……。

きっかけは歯痛。















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] わかりみすぎます。何故足っがつる時って連動するのでしょう。そうですが体が硬いからでしたか良いことを教えて頂きました。 ありがとございます。 どうぞ、歯痛お大事にされてください。
[一言] 「ふくらはぎを伸ばそうとするとスネが再度つり、足の指を伸ばそうとするとふくらはぎが再度つり」 この地獄の無限ループ、私も時々襲われます。 夜中に脂汗を流しながら、爪が刺さるくらいに強く足首を…
[良い点] あながち間違いではないかもしれません。 武田真治が筋肉人間になったのは、顎関節症で顎が痛くて開かなくなった時、鍼灸師に「歯を食いしばる筋肉しか使わないから偏って顎が開かなくなっているので…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ