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モト病んでれ  作者: サスラ
4/7

相違協力(2)

もう少し明るい展開が書きたいんですが難しい…。


「それじゃ、細かいとこはそんなところかしら。早速明日から試すからへますんじゃ無いわよ。」


「うん…本当にありがとう!」


「…それと?」ゾクゾク


体を震わせながら何か言いたげなディレ、まるで一番重要な事は?と言わんばかりに。


「…いつも通り学校では話しかけない。」


「それで良いのよ。じゃ、アタシ帰るから。」


「あっうん、それじゃあまた明日。」


「……」



「…なんか無いの。」


「…あ、家まで送ろう「誰かに見られたらどうすんの、てかストーカーかよ。」


模範的な答えでも言う人によってこうも違うのかと、明は思った。


「えっと…今日遅いし、家で夕飯でも…。」


(いや、さっきのがダメだったのに夕飯の誘いなんてもっとおかしいんじゃ…)



冷や汗をかきながら悶々とする明。これから常識人になろうと言うときにまたミスしたのかと、よく言えばこれから間違いを正していけると気圧された。



「は、はぁ?こんな遅くに夜までいさせるって、なんか企んでんでしょ!ったく…」


「……」


どちらにせよ罵倒だが、先程より明らかに好印象なのは伝わり、正直困惑する明。



「それもちょっとキモイけど、今日用事あるし。…ま、まぁ?アンタがどうしてもって言うなら?」


「あ、そうなんだ。じゃあ良ければまた今度に。」


「……」パチン


「痛っ…」


好印象だと思ったが今度ははたかれ、ますます困惑する明。


その後、玄関までで良いからと、そう言ってディレは不満げに帰っていった。

結局何が正解なのか分からず終まいの明。その夜は、いつか見た彼女に告白を決意した日と同じ気持ちがした。


~~~



次の日、まるで祝うかのように神々しい朝日がカーテンの隙間から差し込み目が覚める。


「ふぅ…よし。」


昨日までとの気持ちを入れ替え、自分なりに気合いを入れる。

そして早速、昨日ディレがしてくれたアドバイスを思い出しながら一つづつ丁寧に実行していく。



「「良い?まずは身だしなみ!普段もだけど、髪整えてなかったり、服着崩したりしても今のアンタにとったらダサいだけだから。」」



思い返しても相変わらずな辛口だが言ってる事は的を得ている。


(早速…)


そう意気込み、浴槽の鏡の前で何時もとは人一倍身だしなみを整える。


(髪…眉毛を整えて…服のシワを…ネクタイも…あ、爪を切って、よし!)


できる限りより入念に、身だしなみを気を付けたつもりだ。自信満々に鏡を見て以前の自分と思い比べるが、


(…違いがわからない。)


普段からそれなりに整えていたので明確な違いがうまれない、もっと目に見えた変化がわかる事をしなければ。



「「そして普段の仕草から明るく、表情も変えれば悪い印象は減るでしょ。そうね…クラスに入ったら挨拶でもすれば良いんじゃない?」」



明は残りの支度を済ませ、自分の変化を期待しながら意気揚々と学校へと向かう。

彼にとって、道先々にある道も今日は違って見えた。



~~~



優々とした足取りで進む明を見て、普段凝視している生徒達も異変に気付き、普段とは違う異様な姿にあるものは二度見する。


何時もとは違った光景だが、それに目もくれず、軽い足取りでその間を掻き分けるように進む。

彼の自信と後押しをしているのはやはり、ディレの協力と提案によるものだったが、長い孤独と彼の性格により少々暴走気味でいた。



~~



軽いステップのような足取りだったが校舎に入った辺りで段々と重くなっていき、その重々しい足取りで階段を上る。


(…今日から変わるんだ。)


自分に「変われる」と言い聞かせば、無理にでも脚が動く、まるでそこにしか道がないように。そして、



(ついた…)


そしてたどり着く、教室の引き戸前。

明は軽く深呼吸をし、ディレのアドバイスを思いながら引き戸に手をかける。


(ふぅ…よし!)


胸を高ぶらせながらゆっくりと、力強くその手を引く。

ここから、また普通に変わるんだと思いを馳せて、



「おはようございます!!」



「っ!……」「…ぇ」「................」



異様な空気が教室を包む。さっきまでの混乱状態とはうって変わって、可笑しいことにようやく気付く。


額から冷や汗が止まらない…自分は一体何考えていたのか。言い訳をするならば、問題解決に急ぎすぎてまたも暴走していた……。


(言い訳にならない…。)


「フッ……ふっ…」プルプル


ディレが机にうつ伏せで笑いをこらえている、それを見て更に恥ずかしさがます。

恥じらう余りどうにかなりそうだか何とか落ち着きを取り戻しつつ席に向かう。


((えっ…今の何だったの?)) ((どうしたのアイツ、なんか知ってる?)) ((知らないよ…振られて可笑しくなったとか))


小声で様々な憶測が飛び交う。僕は席に座り、ディレを少しだけ「それはないんじゃないかと」と言う目で凝視する。

それに気づいたのか、にやけ顔で半振り向き様に此方を向き、口パクで何か言っている。


((……じょうに))


(…?)


((後で屋上に集合))



~~



授業を終え、休憩時間にいち早く屋上へと向かう。

後から来たディレがまたもにやけ顔で開口一番にぶちまける。


「ちょっ…あんな冗談ホントにやるなんて、アンタどんだけ馬鹿正直なの。」


少々あきれ気味で小馬鹿にしたように言う。


「た、確かにそうだけど…あそこで茶化さなくても。」


「多少はアンタの印象が緩んだし、結果オーライでしょ。(多分)」


「…本当にそう思う?」


「まぁね。(嘘)…それより、この後の事わかってんでしょうね。あんなんでしり込みせずにちゃんとやんなさいよ。」


「大丈…「ディレ?」


ビクッ っと二人の体が大きくはね上がる。


「ごめん!なんか急いでたから心配でついてきちゃって、サスラ君だよね?」



(まずい…)


彼女は白雪夏実(しらゆきなつみ)、白く透き通るような肌とは裏腹にかなりのスポーツマンな明るい子。

相反する二人だが、以外にもディレの親友だ。


(彼女とディレの間に亀裂が入るかも…何とか誤魔化さないと。)


僕とディレが親しげにいたと勘違いされる前に何とか取り繕うとする。


「えっと、白雪…さん。」


「ん?、ってか明君久しぶりに話したね。さっきは驚いたよ~。いきなり挨拶して(笑)。前は…なんか近寄っちゃダメって感じだったから、ごめんね。」


「それは全然!僕が可笑しかったし…あの、ディレとはたまたまここであっただけで。」


そう言い訳すると、ここまで無言だったディレが横からはいる。


「別に誤魔化さなくて良いわよ、ナツミはそう言うんじゃないし。」


「そう言うんじゃない」と言われ一瞬戸惑ったが、彼女ののほほんとした顔を見てなんとなく理解する。


「ナツミも、そんなことで着いてこなくて良いの。コイツじゃないんだから。」


(…ん?)


さりげにディスられて傷つく。


「色々話したい事あってさ~、明君と要るとは思わなくかったし。」


「まぁ今はお邪魔みたいだし、後で話聞かせてね。それじゃ!」


気持ちが良いくらい気持ちがスッキリしている、クラスの人気者なのもこう言うとこから来てるんだろうか。


しばし白雪さんを尊敬の眼差しで見つめていると、彼女が振り返り、


「明君!今度からはまた話しようね!」


そう言い残し教室へ戻っていく。意外な申し出に鳩に豆鉄砲が喰らったようになるが、その驚きが喜びの気持ちと更なる尊敬の眼差し変わる。


「…は?何見つめてんの、キモ。」


「……」


一瞬で喜びから奈落に戻る。


「言っとくけど、ナツミは優しいからであって、あんな都合よくいかないから。」


「昨日言ったこと、しっかりやんなさいよね。」


「勿論だけど…また冗談みたいなの無いよね?」


「あってもそれが有効なのかわかるから良いでしょ。」


更なる不気味な空気になりそうでダメな気がする…


「んじゃ私も行くから。ちゃんと見てるからね!全部試しなさいよ!」


そう釘を刺され、その場から去る。

僕は決意を新たにし、半場ヤケクソ気味にアドバイスをこなして行った。













ご朗読ありがとうございました、ちょくちょく魅力的なキャラを絡めて書いていきたいです。

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