第5話 初めての夜といつもの報告会
初めての二人だけの夜。
春とはいえ、まだ少し肌寒い部屋の中では暖房用の燃料が焚かれていた。
暖炉の中でパチパチと音を出しながら色づく炎とローソクの炎、二つの違う色の灯りに照らされるなか、私とジャバトは部屋の中央に一つだけ敷かれた布団の横で着ている服を脱ぎ取っていく。
綿の生地を作るようになって履くことができるようになった下着は、男の事も女の事もわかるソルさんだからこそ作ることが出来た織物部屋の主力商品だ。これまでは男も女も腰布だったんだよね。
服を横に並べた私とジャバトは、下着一枚の姿になる。
ジャバトったらあんなに膨らませて、ふふ、私で興奮してくれているんだ……。
私も…………ん?
あのふくらみは……なかなかのサイズだけど、大丈夫かな……
布の上からでもくっきりとわかるジャバト自身。……これは、いきなりは大変かもしれない。
「ジャバト。全部脱いで……」
「えっ! だって……」
「だってじゃないでしょ、脱がないとできないんだから、早くして!」
ジャバトはいそいそと下着も脱いで生まれたままの姿になる。
うーん、自分(海渡)と比べても二回りは違うじゃないかな……スマホで見た外国のAVで見るようなサイズ感だぞ。……初めての私には準備が必要かも。
「ジャバト! これから私の言う通りにして」
ならせば何とかなるだろう。それに今日は赤ちゃんを授かる可能性が高い日だ。とにかくうまくいかせないといけない。
「はい!」
「はっきり言って、これはセクハラじゃないですか」
結婚式の翌日の地球では、男だけで集まって秘密の会合が開かれていた。
「そういわずにさ、海渡。お前たちのことが心配なんだよ。それにお前、俺の時には遠慮なく聞いていただろうが!」
確かに、ユーリルさんとパルフィさんの初夜の話を、根掘り葉掘り竹下先輩にお聞きしたのはこの僕で間違いないんですが……
「ルーミンは女の子ですよ。ユーリルさんとは違うと思います」
「うまくいったかだけでいいからさ、頼むよ。お願い!」
ただ、数か月後にリュザールさんとの結婚を控えている樹先輩も気になるでしょうし、お話してもいいかな。
「ご心配おかけしたのは間違いないですし、少しですがお話いたしましょう」
「ほんと!」
「…………しかし、なんですかね。話すと言った途端、このギラつく竹下先輩の目は」
「わかる! エッチな話をするときの竹下は目の色から違うよね。獲物を狙う肉食動物そのものだよ」
これ、興奮してこっちに襲い掛かってきませんかね……
「仕方ありません。野獣にこのお話をして大丈夫かわかりませんが、最初にジャバトを見たとき、えっ! と思いましたね……こんなに違うんだって……」
「お前さあ、もしかして自分のと比べちゃったの。ダメだってそんなことしちゃ。どちらも男の俺が思うにたぶん人種の差だから、気にしちゃ負けだって」
「そうはいっても、男として気にしない方がおかしいでしょう。……どうしたんですか樹先輩。急に俯いちゃって」
「え、いや、別に……」
「あのな、樹。風花はそんなこと気にしないはずだから、あまり考えるな」
「あー、なるほど、風花先輩は自分のと比べることができるんですね。それは確かにどう思われているか気になりますね。ちなみに竹下先輩はリュザールさんのを見たことはあるんですか?」
「そりゃ、お風呂は男もまとめて入っているから見ることはあるけど、普通の時だからな。まあ、…………気にするな樹、俺たちは普通だ」
カインにはお風呂が一か所しかないから、男女別に3~4人ずつ一緒に入るんだよね。でもお風呂では……たぶん普通の時だろう。それでも差があるってことは、そういうことだと思う。
「うぅー」
「せ、先輩、元気を出してください。まだ負けと決まったわけでは……、そうだ、昨日の僕の話を聞いてください。昨夜は…………」
昨夜は自分で言うのもなんだけど、うまくいった気がする。ソルさんのお母さんからお聞きした技を使った時のジャバトの顔は見ものだったな。まだまだあるからね。もっと驚かせることができそうだ。
赤ちゃんはまだわからないけど……。みんな喜んでくれるだろうな。早くできないかな。
あとがきです。
「ソルです」
「ルーミンです」
「「最後までお読みいただきありがとうございました」」
「無事初夜も済ませたようだね」
「いやー、最初にあれを見た時はどうなることかと思いましたが、何とかなるもんですね」
「さ、サイズ……」
「あはは、もうこれは仕方のないことですよ。風花さんは何も言わないでしょう?」
「うん、言われたことは無い」
「だから気にしなくてもいいですよ。樹先輩のもそんなに……おっと、内緒でした」
「る、ルーミン!」
「ええと、この物語はここで一旦終わりますが、前後のお話は本編の主人公ソルさんと立花樹先輩視点の物語
『おはようから始まる国づくり』
https://ncode.syosetu.com/n6547ha/
に載っています。気になる方はそちらを読んでくださいね」
「一旦ってことは続きもあるのかな」
「さあ、どうなんでしょう」
「またあるといいね」
「はい!」
「「それでは皆さん最後までありがとうございました」」
「また、会う日までさようなら!」