表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/5

第4話 幸せになってみせますよ!

 そして、ジャバトと一緒に私の実家に渡す結納用の織物を織ったりして、何とか兄ちゃんの結納の期日までに間に合わせたんだけど、戻って来てから織物部屋のみんなに叱られてしまった。


「信じられない。花嫁道具の準備ができていないなんて……」


「うう、ごめんなさい。適当でいいのでよろしくお願いします」


「何言ってんの! 適当にやっていたら幸せになんてなれないのよ。私たちが手伝ってあげるからしっかりやりなさい」


 この地方では、小さい頃から家で織物を習って花嫁道具の準備をしなくちゃならない。私の家では下の弟の面倒を見ないといけなくて準備ができなかったし、この村に来てからはすぐに海渡と繋がったからすっかり忘れていた。

 正直結婚してからのんびりと作ってもいいと思うんだけど、村の奥様方が言うには最初にしっかりしてないと結婚生活もうまくいかないって……なんでも準備が大切なようだ。


「ごめんね、コペル。手伝ってもらって」


「大丈夫。寝なかったらすぐにでも終わる」


 う、私たちはどうしても寝ないといけないんだよ。眠ることによって毎日地球の海渡と切り替わるんだから。でも、コペルにどうやって説明しよう……


「ねえ、コペル。寝ないと健康に悪いから、あまり無理しない方がいいよ。それに元気じゃないと赤ちゃんも産めないしね」


「うん、赤ちゃんは大事」


 うう、ソルさんが言ってくれたおかげで、夜眠ることは出来そうだけど、赤ちゃんか……








 明日は春の中日(お彼岸)だ、私とジャバトの結婚式がある。花嫁道具の準備も新居の用意もできて、あとは式を待つばかりになった。


 今はその打ち合わせのために、村の奥様方のところまでソルさんと行っていたんだけど……


「ねえ、ソルさん。結婚式を伸ばしてもらうことって、できませんかね」


「何言ってんの! 結婚式はもう明日だよ。たった今、準備の打ち合わせをすませたところじゃない!」


 まあ、当然言われるよね。


「あのー、私、明日とうとう女になっちゃうんですよね」


「……そっか、ルーミンは男の人を受け入れるのが怖いんだね」


「う、()(てい)に言えばそうです。まだ、男にもなっていないんですよ。それが女になるのが先だなんて……」


 ルーミンの意識しかなかったら、こんな心配をすることは無いと思う。

 でも私には海渡としての記憶もあり、毎日海渡として生活もしている。それが明日結婚式が済んだらジャバトの物になってしまうんだ。やっぱりちょっと怖い……


「私もまだだから、うまく伝えることができないけど、ルーミンは前に子供産む経験ができるって喜んでいたじゃない。その気持ちもなくなったの?」


 確かにルーミンと海渡が繋がった時には、男だけど出産の経験ができることに興味を覚えた。ただ、そのためには必要な行為があるわけで……


「子供を産むことには抵抗はないのですが、明日の夜のことを考えると……」


「まあ、確かに怖いよね。地球では自分でも持っているものが入ってくるなんて、想像するのも難しいよ」


 やっぱりソルさんでもそうなんだ。


「でもさ、まだパルフィが部屋にいるときに母さんが教えてくれたことあったじゃない。あれを実践できるいい機会かもよ」


 そうだった、パルフィさんがユーリルさんと結婚する前に、ソルさんのお母さんからお聞きした旦那さんを喜ばせる様々な技の数々、これを使うことで旦那さんを虜にできるって言っていたやつだ。

 確かに竹下先輩がすごかったって言っていたから効果抜群なんだろう……なんだかワクワクしてきたぞ!


「そうでした。あの技を試さないといけないんでした。樹先輩は風花先輩に教えているんですか?」


「いや、リュザールを喜ばそうと思って内緒にしている」


 風花先輩に教えたら樹先輩にしてもらえるのに、まずはリュザールさんを喜ばせたいとかソルさんらしいです。


「さて、ご心配かけました。もう大丈夫です」






 みんなに祝ってもらった結婚式も終わって、新しく作ってもらった新居でジャバトと二人の夜が始まる。


「ルーミン、俺、一生懸命に働いて絶対に幸せにするから」


「うん、わかっている。私は子供がたくさんほしいんだから頑張ってよね。旦那様」


あとがきです。

「ソルです」

「ルーミンです」


「いやー、ほんとにルーミンが落ち着いてくれて一安心だよ」

「まあ、ジャバトなら、最低限のところはクリアしてましたからね。これ以上みんなからせっつかれるのに疲れていましたから」

「またまた、ここでツンツンしなくてもデレてるのはわかっているよ」

「そんなわけないじゃないですか。私にツンデレ属性なんてありませんよ!」

「ふーん、そういうことにしときましょう」

「えーと、一度はここで完結したんですが、文字数の制約無くなったとかで続きがあるみたいですね」

「そうなの?」

「はい、一話だけですけど引き続きご覧ください」

「「皆さん、次回もお楽しみに―」」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ