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初投稿です。

No.0は2話だけです。

お試し程度で考えて下さい。

ゆっくり気長に待っていただければ幸いです。

☆No.0 誰も知らない物語☆




SIDE Morbid Good



人の本質は善である


誰かの為にその身を削り、願いの為に人生を賭ける


誰かの笑顔の為に動く者がいて、誰かの幸せの為に働く者がいる


見知らぬ誰かの為に自分を犠牲にしてまで動く彼らはなんと美しいことか


苦境に直面したのものに手を差し伸べよ


不正やそれを行うものを憎み羞恥せよ


手に入れたものを分け与えよ


善悪を分別し悪に染まることなかれよ


嗚呼悪は外在する環境に存在し、人とはとても美しいものだ


人は欲望に屈せず純潔を保つことができる


人は欲望に屈せず節制を行うことができる


人は欲望に屈せず深く愛することができる


人は欲望に屈せず耐え忍ぶことができる


人は欲望に屈せず節度を知ることができる


人は欲望に屈せず分け与えることができる


人は欲望に屈せず勤勉であることができる


だからこそ()は何度でも謳おう


「人の本質は善、欲望に抗い続けることができるが故に善そのものである」と




知らない場所にいる。

とりあえずわかったことはそれぐらいだ。

目に映るのは一面真っ白な場所。

壁も天井もあるのかわからないほど真っ白で、遠近感が狂ってしまいそうになるぐらい真っ白な場所。

そこにポツンと、まるで白い壁に黒いペンキが塗られているかのごとく、強烈な違和感とともに真っ黒な机と真っ黒な椅子があった。

椅子は対面するように置いてあり、一方は空席、そしてもう一方には



───おおよそ天使らしき何かが座っていた



「はじめまして。名も知らぬ人間さん?」


「あぁ無理して喋らなくてもいいですよ?あなたはまだ死んで間もないんですから」


「今のあなたは魂そのもの。例えるなら電気みたいなエネルギーだけの状態。手や足、声帯といった外部への出力端子がないから動くのも喋るのも難しいはずです」


「無理したら魂が削れちゃいますよ?」



魂が削れるというのがどういうものかは知らないが良くないことってことはわかる。

それにしても聞くにどうやら自分は死んだらしい。まぁ恐らく誰かを庇うなり助けるなりして死んだのだろう。それならいい。それで死んだのならいい。なにせ自分はそういう風にしか生きられない人間なのだから。



「次が控えてるのでサクサクいきましょうか」


「これから先の話ですが、まずあなたには転生してもらいます。拒否権はありませんし、みんな大好き転生なので断りませんよね?」


「それでここからが相談事なのですが、転生ボーナスとでも言うべきものをお渡しします。そのボーナス、どういったものが欲しいですか?」


「欲しいものを思い浮かべればこちらの念話板に映りますので、自由にどうぞ」



転生するのか。嫌という訳ではないがまた随分と急な話だな。もう少し早めに話して欲しかったとこだが伝えようがないだろうし仕方がないか。でもホウレンソウって大切だと思うんだ。

う〜ん…欲しいもの...欲しいものねぇ...欲しいもの…困った。パッと出てこない。とりあえず王道どこを言ってる間に考えておくか。ラノベ?よく読みますよ。



『記憶の保持と言語理解のアレ』


「えー記憶というと今世の記憶ってことですか?あと言語理解のアレっていうと言葉が勝手に翻訳されるみたいな?」


『そういうこと』


「記憶の保持に関してはいいですが、言語については駄目ですね。頑張って勉強して下さい」


『む。勉強嫌い』


「すみません。でもそういう規則なので」



この後少し交渉してみたけど駄目だった。そう簡単に折れてくれたりはしないか。

勉強は…母国語ならなんとかなるがその他となると辛いな。英語だとかフランス語だとかドイツ語だとか苦手だったし。あぁまた勉強をしなければならないのか。行った先では言語が統一されてることを願う。

後は───



『魔法使いたい。使える?』


「世界軸的には…使えますね。では最低限使えるようにはしておきます。ただし、使えるだけなのでその先は努力次第です」


『使えるだけまし』



まぁ妥当なところだろう。むしろ使えるってことがわかっているだけマシだ。最悪自分だけ使えないとこまでは想定してたし。使えるならば後は野となれ山となれ。その世界に行ってから頑張るとしよう。



「最後の確認ですが、本当にこれだけでいいのですね?勇者や王族、貴族になるということも可能ですよ」


『それだけでいい。』



物語の主人公って柄でも無いし、勇者なんて出来ないさ。世界を救うなんて責任抱えるのは無理。重過ぎ。胃に穴空いちゃう。僕が出来るのは友人を守るぐらい。

王族?それは所謂国の奴隷ですか?己の全てを国に捧げなければいけないなんてやだ。もう少し自由に生きたいです。

貴族は唆られはするけど大変なんでしょ?人間関係。そんなバチバチドロドロな社交場は嫌いです。せめて恋愛結婚はさせて?愛のある家庭を下さい。いや別に愛のある政略結婚でもいいんですけどね。



「そう…ですか。そこまで言うなら仕方ないですね。因果律を少し…いえ、あなたには関係のないことですね。さてこれで書類の準備は終わりです。質問は?」


『んーん。大丈夫。行った先で頑張るさ』


「そうですか。では良き人生を」


『ん。じゃあね。綺麗な天使さん』


 

  魂の転移を開始します


  転移元:C世界線………承認確認


  転移先:F世界線………承認確認


  移動先への魂の最適化………完了


  魂の総量確認………完了


  時空神による最終確認………転移承認


  世界線の接続………完了


  移動開始



こうして僕の物語は始まったんだ。

あっちでは答えられなかった問いに答える為の物語が。答えが出るかは教えてあげない。だって答えを知ってる物語ほどつまらないものはないでしょ?

それにしても思った以上に転生って機械的なんだなぁ。




SIDE Angel?




何故あれなんでしょう。


送る準備の間にふと疑問が浮かび上がります。

もっと扱いやすいのはいるでしょうし、もっと頭が切れるのもいるでしょう。

数値はそこまでいいとは言えないものでした。時間の余裕はあまり無いとはいえ、少し待つぐらいはありました。他と比べ特異な点はありましたが誤差の範囲内と言えるでしょう。


では何故なんでしょう?


何年経とうとも彼の考えてることは理解出来ません。

いや、人間の考えることが理解出来ないのでしょうか?いつか理解できる時が来るのでしょうか。

いやでもあれもあれで不思議なものでした。

物語の主人公である勇者なのですがね。なぜ拒むのでしょう?本当に理解出来ません。人は皆主人公になりたいのではないのですか?物語のモブになりたい人などいないと思うのですが。

一応因果律は弄っておいたのでたぶん予定に狂いはないはずですが、大丈夫ですかね?最終的な結論でありエンディングは変えるわけにはいかないのです。過程は自由と言われましたし大丈夫でしょう、きっと。


あぁ名前も知らない人間さん。

あなたには物語に出てきて貰わねばならないのです。

モブではなく1つの名前を持つキャラクターとして。

盤上の駒になって貰わねばならないのです。雑兵として蹴散らされるポーンではなく、大きな力を持つルークとして。



だから。



だから、勇者にならないというのなら───




せめて英雄になって下さいな

艱難辛苦を乗り越える英雄に




と、そうこうしてるうちに次が来ましたね。

送る準備は出来てますから予定通り。

えぇ予定通りですとも。

私は天使。

この世界に転生するものを受け入れ、送り出す天使。

生まれて何年も経ってない、ことになっている天使。

さぁ次を迎えましょう。

迎え方は同じように───




「はじめまして。名前も知らない人間さん?」






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