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嘘と誠  作者: はるぽた
3/5

風の噂

翌朝、いつもと同じように朝を起き、大学へ通う準備を済ませる。

「おはよ・・・」


リビングに向かうと、母と父がいた。


「聡一、おはよう、ごめんね、私たち今日も早くいかないとだめなのよ。パンあるから温めて自分で食べて頂戴」

「すまんな、聡一」

父も深々と頭を下げた。


「ああ、いいよ、父さん母さん、俺料理できるし、美菜のも作っておくよ」

「ありがとうね」

母が笑顔で言った。


聡一はキッチンへ向かい、冷蔵庫に入ってるパンを電子レンジを使って温め始めた。

パンだけだと足りないと思い、卵とソーセージを取り出す。


美菜の分も含めた二人分だ。


油を引いたフライパンで上手く火を通していく。

黒こげにならないように気を付け、皿に一つずつ盛り付けていく。

パンも温め終わり、おかずと共にテーブルの上に置いた。


「美菜のこと、宜しくね」

「いいよ、仕事頑張ってきてな」


母は笑顔で答えた後、

父と共に出勤していった。


美菜を起こさなければならないので、部屋に足を運ぶ。

部屋のドアをノックし、声をかけた。


「おーい、美菜、朝だぞ」


声をかけたが、何も返事がない。


「おい、聞いてるのか、開けるぞ」


二言目を発した瞬間、ドンッ!という音がドアに響いた。

「うっさい!わかってるって、開けないで!」


美菜は大声で言った。

聡一はリビングに朝食を置いてあることを伝えて、リビングへ戻った。

朝食を済ませた聡一は、大学の準備をして出かけた。


「いってきます。」

家のドアをあけ、いつも通りの景色を通り過ごして大学へ向かう。


大学への道を進み、何事もなく到着した。


1つ目の講義は社会文化系の内容だ。

講義室へ足を運ぶと、そこには友人の田中がいた。


田中は大学からの友達で、長い付き合いではないが、大学の中では長い方だ。

田中は面白いことを言うやつだが、いつもは真面目な奴だ。


ふざける時もあるが、そうでないこともある。


「おう葉山、課題終わったか?」

「課題、まだだわ。というか忘れてた。」


「じゃあ見せてやるよ、でも講義の前には返せよな」

「サンキュー田中、頼りになるぜ」


彼は聡一が困ってるときは助けてくれる存在だ。

その周りにも、数名の仲間がいる。

その中でも田中は聡一にとって特別だ。


メンバーは聡一以外で4人で

田中の他、井野、河合、中村がいる。

大学入学当初からの付き合いのあるメンバーだ。


田中は課題もそうだが、本気で悩んでるときに何も言わなくても相談に乗ってくれる頼れる奴である。


聡一は借りた課題を写し始めた。


すると、メンバーの一人の井野が言った。

「そういや噂なんだけどさ、うちの大学のやつで、また山の方で被害者出たみたいだぜ」

井野が話した後、メンバー内の空気が変わった。

「え?そうなの?この前、一人行方不明なったって聞いたけど・・・」

田中がそういって、聡一達は頷いた。

「その人とは別の人みたいよ、さっき学内で噂で聞いたんよ」


井野はヒソヒソと話していて、聡一達もそれに合わせて話し出す。


「なぁ、俺らで山に行ってみないか?」

中村が言った。

「みんな行方不明になってるけど、俺らで謎を解き明かすんだよ」

そう言うと井野が、

「はぁ、バカだろ。警察が介入するほどの案件だぞ、そんなもん俺ら言ったら俺たちも危ないんだぞ」

井野は反対した。



中村は行くって言っているが、井野はダメだと言って反対している。

聡一達は井野の方の意見に賛成したが、中村は行くと言って聞かなかった。


講義が始まり、時間が進んでいく。

昼の時間が過ぎ、眠くなってくる時間がやってきた。


寝てるやつも少々いるが、聡一は頑張った。

普通は起きるものだが・・・


今日はゼミの日なので、ゼミに参加する。

4年生の卒業研究の途中報告だ。


ゼミが終わったのは夕方だった。

聡一は帰り支度をした。


スマホにグループラインの通知が来ていた。

井野達のグループだ。


ーーーーーーーーーーーーーーー

グループ(5人)

ーーーーーーーーーーーーーーー

井野(山にはいかない方がいいよ)


田中(めちゃこわいわw行きたくないw)

田中スタンプ


河合(お前らやべぇよ、そういうの首突っ込まない方がいいよ)


田中そうだな

井野(やるわけねぇだろw)


中村(俺はやるぞ、今週の土曜暇だからいってくるよ)


井野やめとけ


ーーーーーーーーーーーーーーーー


数十通のライン通知が来ていた。

中村が山に登ろうとしている様子だ。


聡一はラインを送った


葉山(本当にやめといた方がいいよ)

そうすると、返事が返ってきた。


中村(大丈夫だよ、心霊スポット良く行ってるから、慣れてる)

聡一は返信だけを確認すると、研究室を後にした。


「教授、今日はお疲れ様でした、また明日よろしくお願いします。」

「おお、葉山君、お疲れ様、気を付けて帰ってね」


「はい、失礼します。」

挨拶をかわし、研究室を後にする。


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