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聖なる魔法師の青春理論  作者: 柊 タクト
第1章 青春と魔法
4/6

第4話 特別授業が始まるチャイム

カーテンの隙間から日が差し、外からちゅんちゅんと鳥が鳴く。

そしてベットには布団で身を包む春人(はると)が・・・。

部屋に立て掛けているデジタル時計は8時と表示している。

そこにガチャりとドアノブを捻る音がはっきりと聞こえた。


「はる兄ちゃん、そろそろ起きないと遅刻しちゃうよ〜」

そう言って女の子が部屋に入ってくる。

「んあ〜、雪菜・・・。飯か?」

春人は布団を剥ぎ、大きなアクビを見せる。

「うん、昨日結局お父さんもお母さんも帰ってこなかったから、朝ご飯は菓子パン」

この雪菜と呼ばれた少女は木山(きやま) 雪菜(ゆきな)。春人の妹で、東京魔法育成学校中等部に通う2年生だ。

「分かった。着替えたらすぐ1階に降りるから先行っててくれ」

「うぃ~。あ、何だったら着替え手伝おうか?」

雪菜は口元を手で抑え、ニヤリと笑う。

「な!?だ、大丈夫だ。俺1人で充分だ」

「そっ。じゃあ先行ってるね」

タッタッタ・・・と雪菜は階段を降りていった。

「全く・・・、可愛い妹だぜ」

ふっ・・・と不敵な笑み浮かべながら、春人は服を脱ぎ捨てた。


バリッと菓子パンの袋を開け、もっさもっさとパンを頬張る兄妹。

「雪菜。今回ランク昇格戦出るのか?」

「出るよ〜。そろそろCランク取っときたいからDランクトーナメントにエントリーしといた」

雪菜の現在のランクはD。中学1年か2年で取れれば普通といったところだ。

つまり雪菜は春人と違って、至って普通という訳だ。

「そうか、頑張れよ!今回は応援行ってやれないかもしれないけどな」

春人がそう言うと雪菜は口にくわえていたパンをテーブルに落とした。

「はる兄ちゃん、参加すんの?」

「かもしれん」

「Fランクトーナメントに参加して子供にボコボコにされる兄なんて見たくない」

「お前の中で俺はどれだけ弱いんだ?」

春人はガッカリしたように俯いた。

「まあ、まだ分からないが出るとしたらSSランクだ。大人にボコられるなら大丈夫だろ?」

そう春人が言うと。

「ま、あまり目立ち過ぎないでよね。悪い方に。お父さんに怒られるよ」

「分かってるよ」

春人と雪菜は食事を済ませ、それぞれの学校に向かって歩き出した。


「やばいな、これは急がないと遅刻だな。校門前の坂道はダッシュだ!」

春人は腕時計をチラッと見て、およそ1kmの長い坂を走り出す。

「ん?」

ゴールまで残り100mとなったところで、普段見かけない人影が見えた。

(あれは生徒会長か?)

校門までたどり着いた春人は軽く頭を下げ通り過ぎようとする。

「君が木山 春人だね」

唐突に自分の名を呼ばれた春人はピタッと立ち止まる。

「そうですけど」

「僕は3年A組天城(あまぎ) (しゅん)。本校の生徒会長をさせて頂いてる」

天城と名乗った生徒会長はニコッと笑顔を見せ、さらに春人の方へ近づく。

「木山君はSSランクにエントリーしたいんだよね?」

「はい」

春人ははっきりと答えた。

「校長先生から君がSSランクにエントリーするに相応しいか、生徒会が決定する様命じられた」

「やはり、お許しは頂けないですよね」

春人は今度こそ校門を抜けようとしたところで、チャイムが鳴り響く。

「安心して。遅刻にはならないから」

天城会長は春人の肩をぽんと叩く。

「これより実習棟にて特別授業を行う!」

「は?」

春人は思わず声に出してしまう。

「授業内容は僕との模擬戦。これの授業の結果により、エントリー権を受諾するか否かを決定する」

(これは本気でやばいかもしれない・・・)

なぜなら・・・。

「高校生で唯一のSSランク魔法師の僕を相手に、少しでも追い込む事ができれば認めよう」

春人は本日2度目となる不敵な笑みを見せ、こう言った。


「分かりました。この授業、謹んでお受けします」

お読み頂きありがとうございます。

一応バトルものの物語なのですが、次回でやっと書けそうです。

次回もお読み頂ければ幸いです。

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