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聖なる魔法師の青春理論  作者: 柊 タクト
第1章 青春と魔法
2/6

第2話 新たな青春の始まり

キーンコーンカーンコーン・・・。

朝礼を告げるチャイムが教室に鳴り響く。ここは1年B組、春人(はると)青葉(あおば)のクラスだ。

この東京魔法師育成高等学校は1学年5クラスに別れている。かといってクラスがAだからといって優秀クラスという事はない。総合能力が均等になる様に割り振られている。


「おはようございます、これより朝の朝礼を始めます」

メガネを軽く触り、教壇に上がる男性教師。彼はこのクラスの担任で名は神道(しんどう) (あきら)。いかにもインテリ系イケメン教師だ。

神道先生が教壇に上がると同時に、周りの女性陣は、「キャー!今日も素敵ですわ!」とか「そのメガネ、私にくださいまし〜」などと騒ぎ始める。

「皆さん、お静かに。これから連絡事項に入りますよ」

辺りはシーンと静まり返った。

「では初めに、来月の6月15より全国魔法師ランク昇格トーナメント戦が開催されます。皆さんも知ってると思いますがこの大会は年に2回開催される内の1回目になります」

生徒達が先程までとは違い真剣な眼差しで神道先生の方を見る。

「これは強制ではありませんので、出場希望の方は私に連絡をください。なるべく出場ランクは自分の魔法師ランクと同じランクのトーナメントにするように。でないと痛い目に遭いますよ・・・」

そして神道先生は残りの報告を済ませ、教室から去っていった。


「はぁ〜、どうすっかな~」

「どうした青葉?高校1年生にしてAランク魔法師のお前がまさか悩んでいるのか?」

机の上でうつ伏せになり唸っている青葉に春人はそっと肩に手を添える。

「小学2年の時点で最低ランクGを取っちまった奴に言われるとは光栄だな」

この世界には「魔法」が存在する。70年前、人類は唐突に魔法が使える様になった。アニメやマンガに出てくるような炎や雷といったものは使えないが、何らかのエネルギーを放出する事が可能なだけだ。詳しい事は未だに分からない。

そして時代は流れ、次第に魔法の優劣で全てが決まる様になり、下からG〜A、S、SS、SS1、SS2・・・と格付けされた。


「で、どうするんだ?青葉。もう既に高校卒業レベルのAランクには到達してるんだから、別に急ぐ必要もないぞ」

「確かにそうだけどな。俺は魔法軍の戦闘員を目指してるから腕試しには良いかなと思ってよ」

春人は「確かにその考えもアリだな」と頷く。

「で、春人はどうすんの?まさか出ないという事はないよな・・・」

ギクっと春人は飛び上がり冷や汗を流す。

「小2でGランク取った奴が未だにFランクで小学卒業レベル。もう1度聞く、出ないという事はないよな?」

青葉は笑いながらそう言ったが目は笑っていない。

春人は、はぁ~と息をつく。

「出るさ、丁度この新型Eデバイスを試したかったんだ」

Eデバイスとは魔法エネルギーデバイスの略であり、このデバイスを通して魔力を放出する事により物理的な物質に変化させることが可能だ。

現在は片手剣型、大剣型、槍型と刃物系のEデバイスしか実用化されていない。

そう言って春人は制服の下に仕込んであるホルスターに手を伸ばし、拳銃の様な物を取り出す。

「拳銃型のEデバイスだと・・・、これは開発されたが、超高度な魔法コントロールと高数値の瞬間最大魔力放出量が必要な為、使える者がいなかったんじゃあ・・・」

青葉は目を丸くして春人に問う。

「俺は魔力こそ微量だが、一瞬で全魔力を引き出す事も可能だ。瞬間最大魔力放出量に関してはSS∞(インフィニティ)級だ。これは試す価値がある」

「まさか拳銃型だけで挑む気か?」

「まさか・・・、それはないさ。昨日調整した片手剣型を主に使う。拳銃型は奥の手だ」

春人は首を横に振り、カバンから片手剣型Eデバイスを出して見せる。

「そういう事なら俺も協力するぜ!春人の念願のEランク昇格に向けて特訓だ!」

「ありがとう、よろしく頼む!」

2人はガッチリと手を交わし、にっと笑った。

この時、この2人は新たな青春の物語が始まるのだと悟った。


「で、まさかFランク相手の小中学生を相手にする気か?」

春人は少し間を置きこう答えた。


「出場するランクは、SSランクだ」

お読み頂きありがとうございます。

この回から物語のメインとなる魔法について触れました。

これから魔法メインのストーリーになります。

次回もよろしくお願い致します。

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