エピローグ ~今は亡き閃光
Dear, 親愛なる貴方へ
ああ、私だ。サリエルだ。
どうやら4000年後の世界は対して私たちの世界と変わって無いようだ。電車や車もあるみたいだ。
だけど、私たちのいた頃とは打って変わって、完全に幻想郷から隔たれた、一次独立された世界として成り立っているらしい。凄いもんだな。
まぁ、私の感想なんてどうでもいいか。
私を崇め、尊敬していた教団フィオムは壊滅的な攻撃を受け、解散したようだな。
まさしく、『剣を取る者は、剣で滅びる』。アイツらは元から危ない実験とかしてたからな。だけれども、空しい最期になった宗教だ。
何が正義で、何が悪なのか。勧善懲悪なんて世界観は、絵本の中の世界だけで、現実なんて正義と正義の対立。
奴らを滅ぼし、世間に震撼を与えた剣はセントラルパークで礎の翼と共に保存されているらしい。
ルナチャイルド大統領は、…政府の甘さを言及された挙句に辞任か。
フン、やはり世間は騒がしくなってたから、対応責任を取らされたって訳か。…で、次なる大統領を決める為の大統領選を行う、と。
何億も金をかけて行う、大統領ガチャ。次は一体誰になるんだろうか。
サニーとユウゲンマガンとレイラは、今私と同じ世界に居る。
仲良くやらせて貰っているよ。彼女たちはとても話の分かる人達で、頭も良いからな。理解力がある、ってのが正しいか。
夢美も、ぬえも、カナも彼女たちとは仲良いみたいで、何よりだ。
―――希望に勝る、妙薬なし。
科学は新たなる抗争を産む。だけど、科学は新たなる希望を拓く手段であると、私は信じているよ。
科学は私たちを啓蒙させる。だから、摩擦的に生じる争いは致しかねないのかもしれない。
私がこっそり作っていたスーパーコンピュータこと、ウル・ネビュラ=フィアフル。
奴は夢美と共同開発していた、東方重工きっての化け物だったのかもね。そのハイスペックさは、サニーが憑くに十分な力だったようで。
実はアレ、私が開発してからも幾度も改良が推し進められて、最終的には閃光と言うスーパーコンピュータになったらしい。
世の中、何があるか分からないね。
―――もう、時間が来たようだ。
私は今日、サニーたちの飲み会に誘われてるんでね。…あの世でも、私たちは元気だ。
ここら辺で、私の日記は終わりにしておく。
此れを見た誰かに、あの世界の希望を託せるものならば、託したいものだな。
だって、閃光に終わりは無いのだから。
fin.




