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犯罪抑止バンド

作者: 山田裕子
掲載日:2026/08/06

犯罪の再犯率が低下しないため、その対策として「犯罪抑止バンド」が開発された。

主に再犯率の高い犯罪、薬物犯罪、万引き、空き巣などの窃盗、痴漢や盗撮などの性犯罪を犯した犯罪者に適用された。


このバンドは、悪事を働こうとすると、脳波が犯罪モードに変化し、

それを感知して、電流を流すという仕組みである。

これにより、事前に犯罪を抑止できるようになった。


覚せい剤を売人から買おうとすると、薬を受け取ろうと手を伸ばした瞬間、


バチバチバチィ!!


バンドから放電し、その電流で売人も感電した。


コンビニで万引きしようとすると、


「ギィエーッ!」


電流が流れ、万引き犯も思わず声を上げる。


盗撮犯は、


ビリビリーッ!


手にしたスマートフォンへ電流が流れこみ、壊れた。


かくして犯罪は未然に防がれていた。



犯罪抑止バンドの開発チームメンバーの田中は、犯罪抑止バンドの着用者の様子を観察していた。

今後の改良のためであった。


「初めは警告として弱い電流にしていたが、一律にそうするのはよくないかもしれないな。」


最近、着用者の中に特殊なケースが現れたのである。

最小の電流では、びくともしない。

かえって電流の刺激を喜んでいる。

電流がほとんど抑止にならない。

普通より強めの電流にしてもまだ懲りない。

あまりに強い電流にしたら、命にかかわる。

田中はどうしたものかと頭を抱えた。

本来はプライバシーに配慮して、周りに知られずに犯罪を抑止する仕組みであったが、この特殊な着用者たちには、大音量の警告機能付きに変更することにした。


「万引きは、犯罪です。やめましょう。」


スーパーに警告が響き渡る。


「盗撮は犯罪です。やめましょう。」


駅に警告が響き渡る。


「空き巣は犯罪です。やめましょう。」


住宅街にも大音量の警告が響き渡った。


この音声警告機能により、周りの視線に耐えられなくなった着用者は、犯罪を犯すことがなくなった。

羞恥心は、電流より効果があったようだ。

開発チームはこの機能を正式採用した。


マゾッ気のある一部からは、残念がる声も聞こえたが、やむをえまい。

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