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永追の異世界線戦  作者: 社会の歯車
第1章 施設マルチファリキュア編
6/12

6話 異世界交友

             6話


           異世界交友


 この地下施設で過ごし始めて1週間。今俺は、異世界に来て早々にここへ足を踏み入れられたことが幸運であったことを十二分に理解していた。この世界における学問。そのほとんどが俺が元いた世界のそれと変わらないが、地理や歴史。魔術に関する基本知識など、この世界で生きてこなければわからないことも学ばせてくれる。おそらく適切な学びを提供されなかった子供への配慮の一環だろう。とにかく、それに乗っかって学ぶのは悪くない。また、希望者に限った話だが剣術・闘術・魔術も学べる。その理由は、この施設の地上層。本館とも言える場所が、勇者養成施設として機能しているかららしい。定期的に地下層の子供達の中で、勇者の適正があると判断された者は地上の施設に行き、そこで更に本格的な勇者への道を歩む。それ以外の子供は、一定の生活能力を得られたと判断されると、施設が安全と判断した町へ出て自立。つまり施設を卒業するらしい。

 当然俺は勇者を目指す。正確には、勇者を目指す方向で生活していかなければ復讐が果たせない。おそらくしばらくは、強い勇者として活躍できるようにするための生活を送ることになるだろう。


 「“そう考えた方がいいだろうね。何かをするために何かを頑張るみたいな、2個も3個も同時に考えると頭がパンクするし精度も落ちる。まずはがむしゃらに強くなることだけ考え、そのためのステップや苦労を踏んでいけばいい”」

 “その通りだね……”


 この世界に来てから、学ぶことも多いが気づくことも多い。例えば言語。俺が元いた世界のものと変わらない。だが、文字は異なる。そのため会話は可能でも勉学の際はルザのアシストがなければ問題文すらわからない。この言語と文字のわかるわからないに対してルザは、「“もしかしたら君は特別待遇を世界から受けているのかもね? 言葉が勝手に翻訳されて聞こえ相手に届くように……なんちゃって”」と言っていた。まぁ、異世界に転移するなんて話がある時点で、もしかしたら……と俺も少し考えてしまったが、流石にそれはないだろう。

 クレアラという女の子とは、あれからよく話す間柄になった。クレアラの家庭は、母親が早くに亡くなり、父親のみ。その父親は酒浸りで借金が募っていき、最終的には娘のクレアラを売って自分は生きるという選択を取ったらしい。クレアラを買い取りに家にやってきた闇社会の業者がクレアラを引っ張り出す時、父親はそれに一瞥もくれてやらなかったそうだ。俺が見かけた森では、業者の隙を見て逃げようとしたが捕まってしまったちょうどその時だったらしい。


 「なんだよマーク。ま〜たクレアラちゃんと話してんのかよ! んまっ、俺にはリンカちゃんが居るからいいけどね〜」

 「アタシはよくねーよ!」


 俺と同い年の男の子と、1個下の女の子。それぞれ名前はアカツキとリンカという。俺とクレアラがこの施設に入ってすぐ話しかけてくれ、色々と施設について教えてくれたり話し相手になってくれたりしたいい奴らだ。この2人はかなり前からこの施設で生活しているらしい。因みに2人も勇者志望で、アカツキな闘士。リンカは賢者か、中継という全ての役職を満遍なくこなして小隊のバランスを保つ役割を目指している。

 勇者における小隊は基本4人。超近接の闘士・近接の剣士・全ての距離を行き来する中継・基本中距離遠距離の賢者で構成される。勇者を俺も目指すにあたって、魔力がない故賢者と中継は無理。残るは闘士か剣士だが、アカツキが闘士を目指すのなら俺は剣士にしよう。そんな話をしていると……。


 「わ、私も勇者になりたい! 昔から魔族とかに立ち向かえる人凄くカッコいいなって思ってたし……」


 と、クレアラも突然勇者を目指す宣言をしてきたので、俺たちは4人で勇者を目指し、いつかこの4人で小隊を組めたらいいね、みたいな話をした。この流れで行くと、クレアラは賢者を目指すことになるだろう……。

 この施設に入った次の日、初期試験と呼ばれる座学における予備知識がどの程度なのかを審査するテストを行った。そこでは、ほとんどをルザに教えてもらいながら解いたので満点だった。因みにクレアラも満点だったそうだ。クレアラはもともと学校に通っていたらしいので、学力はあったのだろう。その甲斐あって施設に入ってだいぶ年数の経つ2人。アカツキ、リンカと同じ教室で授業を受けられることになった。

 「お前ら凄いな! 俺とリンカちゃんはここでもう15年以上授業受けてるからできて当然のレベルだけど、昨日来たばかりの奴らができるなんて」

 「へへ。もともと勉強は得意だったんだよ私は……」

 「俺もそんな感じかな」


 嘘だ。言葉は謎に共通なのだが、文字は元いた世界とまるで違う。まず何を俺に問いたいのかすら分からなかった。ただ、数学に似たような科目はルザの翻訳だけあれば解けた。親友のダンザに大学受験前に叩き込まれたのが役に立った。

 因みに15年も居てまだ卒業ないしは地上施設に2人が移動していないのは、ここでの安定した緩やかな生活を少しでも長く味わうために意図的に成績を上げたり下げたりしているらしい……。

 

 「ここに来る前に、数字学科(この世界での数学)はよく親友が教えてくれたんだ。だから特に、数字学科は得意かな」


 少し照れくさい感じに俺は言う。もう決して会えない奴だけど、定期的にこの3人にも話していきたい。


 「スゲーいい奴なんだな、その親友ってのは」

 「うん!」

最近寒くなってきましたね……。体調に気をつけていきましょう!


次回の更新予定日は2025/11/05 水曜日です。


読んでいただきありがとうございました!

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