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ラナンキュラスの餞  作者: 星々 世々


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第4話 実験 Sideルリ

「ちょ、アリスちゃん笑わないで!俺はまじで困ってんだっって、ルリ!!

長いってまじやめてもう!!」


「ふは あははは!」


アリスさんは、慌てふためくカイリに一通りウケ終わった後、割と打ち解けてくれた。


大人びていて、疲れた顔だったアリスさんは、

とても屈託なく笑う、年相応の子だった。



「気を取り直して、アリスさんの困ったことについて聞いてもいい?」


「わかった。口で説明するのが難しいから、実演しながら話すね。」



そう言うと、備え付けの机の上に、紙皿を2枚と紙コップ2つ、革製の財布を置いた。

皿にグミ、ゼムクリップをそれぞれ載せ、

2つのコップにはペットボトルから水が注がれた。


「なんかの精神実験でも始まりそうだな」


まだ気にしているのか、髪先を弄びながら、カイリが言う。

アリスさんは最後に紙とペンを取り出して、一息ついてから


「一番わかりやすくて手頃な手段がこれだったの。じゃあ、やってみるね。」



「多分、私ができるようになったことは、

私に触れたものを


・自由に状態変化させる

・触れている間はそのままにしておける

・対象に空気、水を含ませる


だと思う。ちなみにこれは、生き物、それ由来のものには適応されない。」



紙に箇条書きで示しながら説明し終えると、手袋を外し始めた。


「まず、状態変化。」


紙コップから手のひらに、躊躇なく水をこぼした。

手に触れた瞬間から、水はあっという間に凍ってしまった。

「よかったら触ってみて」


水飛沫型の氷を、興味津々で差し出されたカイリの手に載せる。

「ちゃんと冷たいし、まごうことなく氷だな」

「うん。手から離して放っておいたら溶けるし、食べても問題ないよ。」


カイリから氷を受け取ると、手の上に載せてその下に紙コップを置いた。

そのとたんに溶けた氷は水に戻り、指の隙間からコップへ落ち、濡れた手が残った。


「蒸発させることもできる。」


湿っていた手は、湯気が上がったと思ったらあっという間に乾いた。


「すごいな。熱さや冷たさは感じるのか?」

「感じない。私の手の上にある時は、誰が触れても何も感じないはず。」




もう一度手の上で氷を作り、手ごと差し出してくる。

確かに固体であることはわかるが、湿ってもいないし冷たくもないのを確認する。


「これが金属やプラスチックでもできる。

でも、気体になったりして手から離れたら制御できない。」


両手にゼムクリップを載せて溶かし、右手のを紙皿の上にこぼした、と思うと、

コツッという音がして雫型の鉄塊が落ちた。

左手の方で溶かした鉄は、常温ですぐ固まるはずなのに、待てどそのまま。


「すげえな」

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