さようなら。
[第8話] さようなら。
運命が決まる、どっちの料理しょうぶ。
果たして勝者は........??
勝負は夢美Aの勝ち!!
彼の判定によると夢美Bの味付けは、少ししょっぱかったのだ...。
夢美B:「やっぱりな...」
「だって、私の涙が落ちたんだから負けを認めなきゃね...」
その理由は、本人から生み出された存在だけに消されるのは覚悟していた上での悔し涙だったようだ...。
「今まであんたと上手くやってきたつもりだけど、もう疲れた...」
「あんたが放置したせいで私は彷徨い一人ぼっち...」
「所詮私はあんたの偽物なんだし、もうあんたの身代わりは散々だよ...」
夢美A:「そんな事言わないでよ...」
夢美B:「いや、もういいんだ...。これからは好きにさせてもらうわ...」
これは、夢美Bを放置させたせいで独り歩きを加速させるのは間違いない...。
今は良いが、後に豹変する可能性は否めない...。
全ての諸悪の根源は夢美Aにあるのだ...。
しかし、迷ってはいられない...。
今のうちに決着を付けなければ、後で痛い目に遭う事は最初から分かっている...。
今自分に決着をつけなきゃ、いつやるんだ?
存在を消すにはある呪文を唱えるのだが、チャンスは一度切り。
しかし、文を間違えたり、噛んだりすると効果はなくなる...。
たった一度のチャンス...。
私は覚悟を決め、強く呪文を唱えた...!!
唱え終わると、夢美Bの姿は目の前から消えていた...。
「本当にこれで良かったのか?」
「結局はもう一人と言っても自分に変わりはない...」
夢美Aは、消した事に少し罪悪感を感じ始めていた...。
夢美Bが消えたことで今まで2人で乗り越えてきた数々の思い出が蘇り、心にポッカリと穴が開いてしまったようだ...。
数日後...。
会社での着服疑惑の件は全くのデマだった事が分かり、夢美はお咎めなし...。
夢美は無事に仕事復帰する事ができた。
そして私はいつものように仕事をしていると、店内のテレビには夢美Bがあの馬堀海岸で亡くなっているというニュースが流れる...。
どうやら自殺のようだ...。
そのニュースにより美容室は騒然...。
スタッフ:「だって夢美はここに居るじゃん........」