表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/14

妄想。

[第1話] 妄想。


この世を生きる誰しもが思い描く夢、それは自分がもう一人いれば楽なのに...。

多忙を極める現代社会...。

もう一人の自分が本当にいたらいいのになぁ........。

これはただの妄想や夢物語で終わってしまうのか...?

いや...。

それは、ある方法によって現実となる...。

まだ世間的には知られていないのだが、アングラな世界ではすでに流行っている事なのだ...。

そんな願望を叶えるため、手を染めていく人達の想いはすでに歯止めが効かなくなっていた...。


現在、巷の噂では...?

もう一人の自分が実在している地域があり、密かに怪しい人間が出入りしているという都市伝説が囁かれ始めていた........。

その実態は、村に住む全員が幽体離脱という方法でもう一人の自分を生み出して生活をしているという物...。

しかしその存在が、ごく自然的に世の中に解き放たれてしまったせいで、現代では様々な社会問題を引き起こしている...。

「ねぇ、ねぇ、幽体離脱って強い念があれば可能になるの...?」

「へぇ〜、私もやってみようかなぁ〜!」

「みんなやっているみたいだから、私も〜!」

巷では、色んな声が広がっていく...。

そんな社会問題が発端となり、自然と人々の願望は、 " 一人二役 " に走るのであった...。


そんな社会の中で働く私...。

夢美。鷹山夢美!

横浜市元町出身の25歳!

桜が咲き誇る春を迎えたある日、地元の美容室でその彼女は働いている。

子供の頃に憧れた美容師...。

地元では、芸能人がお忍びするほど有名なカリスマだ...。

毎日のように、ご指名が入るほど多忙な日々を過ごしている...。

そんな夢美の趣味と言えば、休日にバカンスを楽しむこと。

心身のリフレッシュを図るためお洒落な海岸によく出掛けている...。

そこは大好きな馬堀海岸であり、週末には必ずバイクに跨り、距離は遠いが自由な時間を堪能するため足を延ばしている...。

彼女を魅了するのはアメリカの西海岸を思わせるヤシの木が並ぶ景色...。

お洒落な雰囲気が大好きな彼女にはもってこいの穴場なのだ...。

そして砂浜ではパラソルの下でシャンパン片手にグラサンかて...。

そんな優雅な時間を過ごすのがルーティーンとなっている...。


しばらくリフレッシュを満喫していると、辺りの景色は夕焼けになってきた...。

なんだか物寂しい気持ち...。

想いに耽ってきた...。

私は日頃の仕事と自分の在り方について考えてはじめていたのだ...。

「もし自分がもう一人いたらどんなに楽なんだろ...?」

「疲れたら休みたいな...」

「でも稼がなきゃいけないしな...」

「休んでも働いている状況にならないかな...?」

「そんな都合の良い事、起きないかなぁ...?」

「あぁ〜、もう一人の自分か...」

もう一人の自分と言えば...。

人気アニメのパーマンに出てくる" コピーロボット "があったよな〜。

困った時にコピーに頼ったり、一緒に戦ったり助けてもらったり...。

ドラえもんにもコピーロボットが出でいたなぁ...。

あと、しずかちゃんのコピーがしずかちゃん本人を最後に裏切って消そうする話があったなぁ...。

裏切るって、怖いなぁ...。

何だか本当にありそうな話だけど...。

まぁ、アニメの中の話だし、そんな夢みないな話がある訳ないか...!

と妄想に浸ってしまう私。

一方、世の中の人達はというと...?

「自分がもう一人いれば、もっと稼げるのに...」

「自分がもう一人いれば、気軽に休めるのに...」

と、頭から黒い煙が立ち上るが如く、悩みを抱えた人がたくさん存在していた...。

同じように思い悩んでいたのは、夢美だけではなかったのだ...。

多忙を極めるストレス社会に嫌気を感じるのは誰しも同じらしい...。

だが、そんな思いを抱いて働いているとう悩みは表立っていないのが実情だ...。

急な残業や休日出勤、有給の取りづらい環境...。

それでもプライベートや時間を犠牲にして仕事に身を注ぐ...。

こんな理不尽とも思える社会だが、生活の為に稼がなくてはと心に蓋をする...。

確かに、もう一人自分が必要な願望は理解できる...。

実は夢美の気付かない所で、世間の想いは私と合致していたのだ...。


そして...。

夢美には幼馴染の友人がいる。

山手に住むお嬢様の大下魔美。

ちょっと性格は変わっているが付き合いの長い大好きな友人である...。

時間を見つけては、オシャレに生プリンと紅茶を楽しむティータイムを2人で過ごすような仲である...。

ある日、自分がもう一人いれば楽なる妄想について魔美に愚痴っていると、

「幽体離脱やってみる?」

「なんだか最近流行っているし...」

「流行って...いる...?」

「そうなの!幽体離脱したら本当にもう一人の自分を生み出せるらしいよ...」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ