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イケメンなのに陰キャすぎて幼馴染としか喋れません  作者: ひめのなぎさ
第二章 夏休み
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第2章 第29話 あいつは才能があるから、俺たちとは違うんだ。

この話だけでもいいので読んでください!

絶対後悔させません!!

青春という誰もが前に進もうとして複雑に絡み合っていく糸を一本一本は解いていく物語です。

 まだ部活が始まる前の音のない朝早くの学校。

 しかも夏休み中の教室。

 だれもいないはずの教室に俺、獅子原大輝はいた。

 そしてもう一人の女の子と。


 「おはよう、大輝君」


 俺が机の上に鞄を置くと手をスカートの後ろでぎゅっと握りながらその女の子は俺近づいてきた。


 「おはよ、遥」


 昨日の深夜に遥からNineで


 (明日朝部活が始まる前に会えない?)


 と来たときは正直びっくりした。

 まあ、夜寝てたからみたのは朝なんだか。


 「なんか大輝君いつもと様子が違うね。紗季ちゃんたちといるときはいっつも元気な感じなのに」

 「そうか?いつも通りだと思うけど」

 「いつもなら「そんなことねーよ!」っていってるよ」

 「まぁそうかもな。それでどうしたんだ?」


 昨日の夜、紗季が今日のお昼に風香や雄志、遥に今の状況をちゃんと話すって言ってたからそのことではないと思う。

 遥が俺を呼び出して話すなんてなにがあるんだ?


 「ずいぶん不思議そうな顔してるね大輝君」


 遥はふふっと口元を隠しながら笑う。

 正直雄志と風香はめっちゃ話すしかなり仲良くなった自信あるし信頼もしてる。

 ただ、遥だけはわからない。

 新見遥という学年いや、学校でも知らない人はいないような才色兼備の女の子のはずなのにどこか信頼しきれない。

 俺は勉強できないしそういうの考えるの苦手だから直感としか言いようがないんだけど。


 「大輝君、いまちょっと困ってるでしょ」

 「え?」

 「紗季ちゃんと良太君の一件。今日二人から話してくれるみたいだから私も詳しくは知らないけど、本当は大輝君それどころじゃないよね」


 俺の部活のことだろう。

 2年生から煙たがられてることをどこからか聞いたのだろうか。

 

 「どこから聞いたんだ?」

 「聞いたって言うかなんとなく?」

 「なんとなく?」

 「うん。なんとなく。大輝君さ、勉強もしてないだけで多分できるでしょ」

 「いや、できないんだけど」


 してないのもあるけど本当にテストとかやばいんだが。


 「でも良太君の理論的な説明がわかりにくくて、雄志のほぼ直感みたいな説明がわかるんでしょ?」

 「まぁ雄志の説明はわかりやすいな」

 「結構頭いいと思うよ、大輝君。そして今はその努力がバスケに向けられてるだけで勉強に向けられたら多分すごいことになるよ」

 「で、なにが言いたいんだ?」

 「大輝君の努力は人からみると才能になるの。でも自分自身それにあまり気づいていない」

 「いや、俺は才能なんてない。努力したんだよ」

 「ちがうの大輝君。他人から何かを見たときそれを努力と評価してくれる人は少ない。ほどんどが「あの人は才能があるから」ってすまされちゃう」

 「い、いや……俺だって……」

 「わかるよ、大輝君の気持ち。私もすっごく頑張って今の評価を手に入れてるの。でも大輝君も私は才能があるって思ってたでしょ?」


 パンッッ

 

 俺は突然平手打ちをされたかの気分だった。

 ついさっきも遥のことを才色兼備なんて俺は思ってしまった。

 努力しなきゃ勉強なんてできるわけないのに。

 努力しなきゃその評価を維持なんてできないのに。

 努力しなきゃ生徒会で居続けるなんてできないのに。

 俺はその努力に気づかないふりをしていたのか。

 すこし考えればわかることなのに。

 俺自身誰かに自分の努力を認めてもらいたかったはずなのになんで人の努力は見ないふりをしてるんだ。


 「ごめん。本当にごめん」


 俺は自分を悔やみながら遥に頭を下げる。

 歯を食いしばりながらただ床をみて何度も謝った。


 「大丈夫だよ。顔をあげて、大輝君?」


 俺はその言葉を聞いて顔を上げた。


 「大輝君は努力をする側だからいまこうやって気づいてくれたの。でもね、ほとんどの人が努力してる人の結果だけ見て「あいつは才能があるから」っていうの」

 「うん」


 さっきまでの俺だ。


 「大輝君の努力聞かせてよ。見させてよ。紗季ちゃん良太君のことも友達だから心配だけど大輝君も大切に思ってるの。だからね、」

 「うん」

 「今度の試合、たくさん応援するね」


 その何回も言われたことのあるはずのありふれた言葉に俺の心はどくんと大きく動いた。


 













 

 

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