第2章 第17話 月がない夜では、月がきれいですねなんて言えないだろう?
青春を込めた小説です!
これから主人公を含むキャラクターがすこしづつ前に踏み出していき、その前に踏み出すことでいままでマジわからなかった恋や友人関係が絡み合っていきます。
ぜひ楽しんでお読みください。
「今日の放課後あいてますか?」
状況を整理できていない顔をしている遥を見ながら俺、海原雄志は続ける。
「すこし付き合ってほしいところがあります」
よし!言えた!
いつもならたとえ遥の前であってもこんなことは言えなかった。
でも幼馴染として遥の横にいるために、遥に助けれもらっているお礼として……いやそれだけじゃない
俺が遥にいてほしいと伝えるために。
あいつに捨てられてすべてをふさぎ込んだ俺のために居場所をくれた遥に、家にいるのが嫌でただひたすらに朝が来ないことを祈って眠るだけの俺に希望を与えてくれた遥にただありがとうを言いたくて。
まっすぐと遥の目をみてると、遥はだんだんと思考が戻ってきたのかにやっと笑って、
「今夜の予約はまだ空いてますよ」
さっきまでぽかんとした顔してた人が何かっこつけてんだよ。
でも俺の緊張がすこしだけ伝わっているのか遥の声もほんのすこし震えている。
「それならよかった。でも夜までにはおうちにお送りしますよ」
俺がそういうと遥はまたにやっとした後、青空の方を見て、
「今夜は新月だよ?私を連れ去ってもばれないのに」
おい遥さん?
たまにそういうこと言うの何なんですか?
ノリだってわかるからいいけどさ……。
俺ははぁと小さくため息をつく。
遥さんがそんなこと言うなら俺もやり返すからね?
「月がない夜では、月がきれいですねなんて言えないだろう?」
「なっ!?」
「焦るなんて珍しですね、遥さん」
「ゆ、雄志がそんなこと言うからじゃん……」
まってまって、そんな恥ずかしがられたら俺まで恥ずかしいよ?
あたふたとしている遥は珍しいしなにより顔がほんのり赤い。
「遥、それで今日の放課後は大丈夫だよね?」
さっきの返答で大丈夫なのはわかってたけど一応確認。
「う、うん」
「じゃあ、よろしくね」
なんかデートの約束みたいになったなぁ……。
ん?
これ……
デートじゃね!?!?!?!?!?!?!?
――――――――――――
びっくりしたぁ。
でもこれ、デートのお誘いだよね……?
――――――――――――
ガラガラ
俺と遥のすこし微妙な空気を外に逃がすかのように勢いよく生徒会室の扉が開と、
「おはよ、ゆう君と遥ちゃん!」
渚先輩の元気な声に続いて、落ち着いたな声の望先輩が、
「おはよう、ゆう君、遥さん」
というとさっきまであたふたしてた遥はいつもの優等生に戻って
「おはようございます、望先輩、渚先輩」
というので俺もできるだけ冷静な声で続く。
「おはようございます。望先輩、渚先輩」
「朝早くからえらいね~二人とも。まだ集合時間には早いのに」
そういって、ちゅっぱっと手に持っている飲み物に唇をつける。
フラペチーノだろうか?
前に望先輩と飲んだきりだけどおいしかった思い出があるけどそれとはまた違う味っぽい。
「私も雄志もすこし早く着いてしまって」
ふーんとあんまり興味なさそうに渚先輩は自分の席に座り、望先輩は無言で自分の飲んだごみを捨てて席に座る。
「じゃあ、本日もがんばりましょう。新見さん、本日のスケジュール確認からお願いします」
望先輩、いや会長のいつもの言葉とともに生徒会活動を開始した。
これから物語が加速していきます!
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