第2章 第15話 私と同じにならないで
【感謝15000PV】青春の中ですこしづつ成長していくキャラクターたちのやら動く心情を書いています。
ぜひお読みください。
夏だというのにそれ以上に熱を持ちながら校門の坂を上がっていく生徒。
暑さにばてそうな生徒。
サングラスをして涼しい顔で車で校内に入る教師。
俺、海原雄志はそんな生徒たちに交じりながら校門をくぐる。
「お、雄志?」
ぼーっと歩いていると後ろから名前を呼ばれたので首だけ振り返ると、
「おっす」
さわやかな笑顔と汗だくな体がミスマッチしているはずなのになぜか似合っている。
「おはよう、大輝」
「雄志、生徒会か?」
「そうだよ、大輝は部活?」
「うん」
「今週よね、試合。見に行くよ」
「おうよ!」
そう言って、大きな一歩で踏み出していった。
生徒たちの間をすいすいと抜けていき、気が付くとその背中は遠くに行っている。
ほかに人がいないのを見ると部活前の自主練だろう。
がんばれよ、大輝。
ゆっくりと歩きながら校舎に入り靴を履き替える。
部活では使わない校舎だからかほとんど人がいない。
日差しだけが照らすむしむしとした廊下を歩いて生徒会室につく。
ガラガラ
「雄志、おはよう!」
いつもより少し元気?
「おはよ、遥」
望先輩たちはまだ来ていないらしい。
遥の顔を見てすこしだけ昨日のことを思い出しそうになるが、俺は気が付かないふりをしてドアを閉めた。
――――――――――――
すこしだけ昨日の高揚と朝の眠たさを引きずりながら、校門近くの坂を上っていた。
吹奏楽部の音がちらほらと聞こえてはすぐに止まる。
まだ部活前の自主練の時なのかもしれない。
「ハァ……ハァ……」
ぼーっと坂を上っていると一人の男の子が私、松原風香の前を通り過ぎた。
「大輝君……?」
その男の子は私の声を効くと急ブレーキをかけたかのように止まった。
「おお!風香!おはよう~」
さっきと同じ?もしくはそれ以上のペースで駆け寄ってきた。
「風香、どうしたの?応援団?」
「うん、そうだよ」
汗が体中に掻いているのが伝わってくる。
すっごくがんばっているの伝わってくる。
「ねえ、風香?」
大輝君がすこし心配そうに私の顔を覗き込む。
「どうしたの?」
「お、俺臭いよね?この距離なら大丈夫?え、もっと離れようか??」
そう言って大輝君は大股で数歩離れる。
そんな光景を見ているとぷはっと笑いがこぼれてしまった。
「えぇ、そんな笑うほど……?ごめんねぇ、風香」
さっきよりも困った顔で見つめる大輝君をみながら私は笑いながら言う。
「大丈夫だよ?臭わないからこっち来て?」
「ほ、ほんとに?」
「ほんとに」
恐る恐る大輝君が近づいてくるので私は一歩、大輝君の方に近づく。
「風香!?」
「大丈夫だよ?におったりしないよ」
「ふ~か~」
元気を取り戻した大輝君に私も笑顔になる。
「大輝君」
「ん?」
「無理はしないでね」
そう言われた大輝君はまたすこし困った顔になってすぐに元気な顔に戻る。
「おうよ!」
そう言って大輝君は肩にかけてたタオルで顔を拭いて、よし!!と大きな声をだした。
「あ、ごめん、風香びっくりさせたよね」
「い、いや……大丈夫」
「じゃあね、風香」
「じゃあね、大輝君。練習がんばってね、あと、本当に無理はしないで!」
「ありがと、風香」
そういった大輝君はくしゃっと笑って大きな一歩を踏み出していった。
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