第2章 第11話 うん、新妻ですか?
【感謝15000PV】
青春という儚く短い、されど濃密な時間を書いています。
あぁなんで女の子を家にあげて俺はすぐシャワーに入ってんだ……
~~1時間前~~
「ハァハァ……ハァハァ……」
遮るものがない真夏の日差しを浴びて遠くに景色がゆらゆらと揺れている。
俺、海原雄志は全力疾走しながらポケットからスマホを取り出して時間を確認する。
10時27分
くそっ、あと3分しかないっ。
運動は苦手ではないけどいつも引きこもっているつけが来たのか正直もう倒れそう。
風香との電話を切った後俺は家の掃除をしながら風香を迎えに行く準備をしていた。
ただちょっと家の掃除を念入りにしすぎた。
いや、すこし違う。
遥の痕跡を消したかった。
遥は良く俺の家に来る。
遥とは幼馴染だって風香には伝えている。
俺はほぼ一人暮らしだし、隣に住んでいる遥に家事を手伝ってもらうこともあるって前に伝えた。
でも、それでも、わざわざ家に来てくれたのにほかの女の私物なんて見たくないはずだ。
いや、俺が見せたくない。
風香と付き合っているわけでもない。
ただ、なんかいやだ。
そう思って家の中を一通りみたが、なにもなかった。
この家に遥を示すものはなにもなかったのだ。
家が隣でごはんもよく作りに来てくれる。
そんな女の子の、コップや箸さえなかった。
いつもは俺の母親のものをつかっていた。
しっていた。
それが当たり前とおもってしまっていた。
遥の痕跡を消そうと思って探したのに、なにも見つけられなくて後悔する。
本当になにやってんだ俺。
後悔と自分へのいら立ちを抑えながら俺は朝に電話をくれた女の子のもとに走った。
~~現在~~
シャワーをあびて風呂場をでる。
濡れた髪をわしゃわしゃとタオルドライした後にドライヤーで髪を乾かしてリビングに向かう。
すっごくいいにおいがする。
俺がシャワー入っている間にお昼ご飯を作ってくれるといってたけどなんだろう?
煮物のようなちがうような。
「あ、雄志君!」
風香が俺をみてにこりと笑う。
「ごめんね、風香。待ち合わせ遅刻してしかも汗かきすぎて帰宅後すぐシャワーって俺……ほんとごめん」
「全然大丈夫だよ?私こそ汗かいているのにスーパー付き合ってもらってごめんね」
「い、いやそれは当たり前!俺のご飯つくってくれるんだからそりゃあついていくよ!」
「もうすぐおひるごはん完成しそうだよ」
片手に菜箸もって、エプロンをして、髪を後ろで結んでる風香。
うん、新妻ですか?
遥もここにきて料理をしてくれることもあるけどそれとはまた違う。
なれないキッチンだからかすこし慌てながら、でもおちついて料理している。
風香の手料理いまからいただけるんですか?
あぁありがとうございます。神様。
「風香、おひるごはんなーに?」
「冷しゃぶパスタとなすのおひたしだよ」
さっきの煮物かとおもったにはおひたしの匂いかな。
「ありがとうすぎる!めっちゃ楽しみ!!」
「ねえ、雄志君?」
「ん?」
「どのお皿つかっていいか教えてもらってもいい?」
「ごめん言うの忘れてた」
俺はそう言って食器棚からいくつかお皿を取り出す。
「このお皿とかなパスタにつかえそうかな?まあ、基本なんでもつかっていーよ」
ありがとう、と言いながら風香がうけとる。
こんな会話は遥とはもう当分していない。
しなくても全て遥はわかっているから。
まただ。
目の前の女の子を見ながら頭の中では別の子がちらつく。
最低な男だ。
誰に向けての罪悪感かわからない。
でも今はその気持ちに蓋をして俺は目の前の女の子に笑いかける。
「わからないことあったらなんでも言ってね」
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