第2章 第9話 好きな人には泣いていてほしい。私が慰めてあげるから。
【感謝15000PV】記念の本日に2回目の更新です!
短くて儚い青春を書いています!!
「もう~~~~~~!!!」
私、新見遥は枕の中で叫んでいた。
あたし何してんの!!
なーにが、
あつい夜だね
だよ!!私何ってんの!
しかもそこでやめてたらいつもの私と雄志のなれ合いで済んだのにさ?
調子乗っちゃったし……
ねえ、絶対見えてたよね?
目線気が付いてたからね??
「はぁ」
大きなため息が漏れる。
――もうちょっとだけ動揺してくれてもよかったのに……――
もう一度、ふぅと言ってベッドから立ち上がる。
シャラシャラ
ゆっくりとカーテンを開ける。
部屋の光が夜にこぼれる。
私は隣の雄志の家に目を向ける。
暗い。
まだ家が暗く沈黙する時間には早い。
家族が住んでいる家庭なら、高校生とその親が住んでいる家庭ならなおさら光が漏れているはず。
もし私なら、いやふつうの高校生なら寂しい、辛いと感じると思う。
ほとんどの人は思いを寄せている人には寂しい、辛い思いなんてしてほしくないと思う。
でもね、私は悪い女だから。
君には泣いていてほしいの。
辛くて寂しくて、下を向いていてほしい。
だってそうすれば私が横にいて慰めてあげれるから。
ごめんね、雄志。
純粋な女の子じゃなくて。
ごめんね、風香ちゃん。
優しい女の子じゃなくて。
満月にはまだ遠い月をみながら、夜にまぎれるようにそっと部屋の電気を消した。
――――――――――
「望のお父様、わざわざ私の家までおくってくださりありがとうございます。
お父さんは、いいんだよと言ってはっはっはっと笑う。
「望もありがとう」
「いいえ、大丈夫よ。お父さんありがとう」
渚は私の家族の前ではいつもの口調をやめる。
私の父は大企業と言われる会社の社長をしていためか、礼儀にはすこし厳しい。
いつもの渚を出してしまうと付き合いをやめろと言われかねない。
「お父様直々に運転をされるなんてすごいですね」
「運転が好きだからね。そして娘を迎えに行くのも父親の役目だ。まあ、普段は社会勉強として電車通学をさせているがね。」
すごいですね、とほめる渚。
こういう時の渚は遥さんと同じ、いやそれ以上におしとやかな雰囲気を出す。
それから20分ほど雑談をしていると渚の家に着いた。
「ありがとうございました」
渚はドアからおりて深々とお辞儀をする。
「君のご両親にもよろしく伝えといてくれ」
「はい!かしこまりました。あ、そうだ望?」
そういって望は私に手招きをする。
渚のドアの方に体をずらしながら移動する。
「どうしたの?」
渚がぐいっと近寄って耳元でささやく。
「私が望を守るから」
そういって離れるともう一度お父さんにお礼言って車から離れる。
それをみてお父さんも車を発進させる。
渚の言葉の意味をあまり理解できないまま後ろで深々とお辞儀する姿をただ茫然と見続けた。
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