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イケメンなのに陰キャすぎて幼馴染としか喋れません  作者: ひめのなぎさ
第二章 夏休み
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第2章 第7話 夏の青い空は熟れる前の秋の夕焼け

【1万5000PV】ありがとうございます!

2週間毎日投稿をしています。

その後は週3投稿です。

儚い青春を書いています。

 キュッキュッ

 シュッ


 部員の大きな掛け声とバスケットシューズが床とこすれる音。

 そんなのに比べたら小さいはずなのにどんな音よりも鮮明に聞こえるシュートがゴールに吸い込まれて網と擦れる音。

 毎日聞いている、けれど毎日違う音。

 その日の気温、湿度、そして調子。

 たくさんの要素が絡み合ってバスケットボールという音楽が奏でられる。

 

 「次、獅子原!」

 「はい!」


 キャプテンの声に大きく返事して大きな一歩とともにドリブルをしてレイアップを決める。

 

 「次!!」


 キャプテンの掛け声と主に後ろに並んでいた部員が同じようにする。

 8月の大きな大会に向けて全員がやるきをいや、ほとんど殺気に近いようなオーラを出している。

 俺も1年生でただ一人のレギュラーとして与えられた使命を全うしなければならない。


 「はい!10分休憩!水本補給、トイレなどしておくように。水分がなくなったものはいま買いにいけ!」


 キャプテンの声が響く。

 

 「はい!」


 俺は精いっぱいの返事をして、すこし外の空気を吸いたくて体育館の外に出た。

 

 「あぁ応援団の練習はもう終わっているのか」


 外に出た俺はすこしがっかりした。

 紗季や良太、そして風香の応援団が体育館前で練習していたんだがすでに終わっていた。

 あいつらに会えるかと思って期待したんだけどな。

 校舎にかかっている大きな時計を見上げると、

 16時20分

 さすがに応援団の人たちはもう帰ったか。

 どこかの部活の掛け声と吹奏楽部の演奏だけが聞こえる。

 中学生の時からこの休みの日の学校好きなんだよなぁ。

 なんか音はあるのに誰もいない感じ。

 こういう時良太とか遥ちゃんならなんかかっこいいこと言えるんだろうけどまあいっか。

 

 俺は体育館のよこにあるベンチが日陰になっていたのですこし荒々しく寝転んだ。

 目を瞑って30秒ほどたっただろうか。

 急に頬に冷たい感触が走る。


 「たーいーきっ」

 「うわっ!!」

 

 俺が飛び起きると紗季がスポーツドリンクを持っていた。


 「おつかれ、大輝」「おつかれさま、大輝君」


 紗季と良太と風香?

 

 「大輝不思議そうな顔してるなー」

 「なんでここにお前らがいるんだ?」

 「応援団の練習が終わったから、大輝の練習すこし見学しようと思ってね」

 「見学?」


 俺の頭にハテナマークが飛びまくる。

 良太がそれをくみ取ってくれて説明してくれる。

 

 「それでちょうど来たら大輝がここで寝てたってわけ」

 「大輝さぼってた?」


 紗季がすこしにやにやしながら俺を見る。


 「さぼってねーよ。ちょうど休憩中」

 「そゆこと」

 「風香も見に来てくれたの?」


 応援団の後だからかすこし高めにポニーテールしている風香にドキッとしながら目を見る。


 「う、うん!邪魔だったらごめんね……」

 「邪魔じゃないよ!!めっちゃうれしい~!ありがと風香!」

 「大輝喜べよ~。風香が大輝をみたい!って自分から言ったんだぞ?」

 「え、まじで??風香ありがと!」

 「いや、え、えっと紗季ちゃん!?」


 すこし顔が赤くなって慌てている風香をみてみんなが和む。

 

 「あ、大輝時間大丈夫?」

 「お、忘れてた!ありがとな良太」

 「うん。頑張ってな」

 「ありがと!紗季も風香もありがとな~。体育館暑いから水分しっかりとって練習見てな」

 「大輝君、ありがとう」

 「お、大輝これもってけよ。うちらからの差し入れってことで!」

 

 紗季からスポドリを受け取って俺は走り出す。

 がんばれ~と手を振る3人に俺も振替しながらいつもよりすこし早めの走りで暑い体育館に戻った。


 ――――――――――――

 

 紗季ちゃんたちとバスケ部の練習をみて学校を後にした私、松原風香は一人で帰路についていた。

 夏の夕方は空が青い。

 秋の夕方は空を真っ赤に染めるのに。

 まだ熟していない果実のようにまだ青く、まぶしい光が私を照らす。

 私は玄関を開けて暗く音のしない家に入った。

 私を照らす光から逃げるように。

 見たくない過去を照らされないように。

 













 

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