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イケメンなのに陰キャすぎて幼馴染としか喋れません  作者: ひめのなぎさ
第二章 夏休み
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第2章 第5話 ちゃんと君を輝かせるような俺で居るから

2週間毎日投稿!!

様々な視点で進む物語をぜひ読んでください!

 すこし内気な君は前を歩く二人に小走りで追いつこうと俺たちから遠ざかる。

 俺、獅子原大輝はただ君の長く揺れる髪から目を逸らすことができなかった。

 あの日泣いていた君は今は笑っている。

 俺たちと話すようになって笑顔が増えた気がする。

 だけど、君はときおりおびえたような、かなしむような、普通の高校生ではしないそんな顔をする。

 君は何におびえているのか。

 何に悲しんでいるのか。

 知りたい。でも知りたくない。

 もし俺がそのことを聞いたら優しい君は教えてくれるかもしれない。

 優しい君はすこしづつ丁寧に教えてくれるだろう。

 鮮明に思い出しながら。

 怯えた顔をしながら、いや涙を浮かべるかもしれない。

 そんな気持ちに君をさせるなら俺は知らなくてもいい。

 君が前を向いたとき、元気で明るい獅子原大輝がいるから。

 ちゃんと君を輝かせるような俺で居るから。

 待ってるよ、風香。


 「俺たちは生徒会に戻るよ」

 

 雄志の声で真夏の現実に戻される。

 あつく、うるさい夏に。


 「ああ、雄志と遥がんばってな!!」

 「うん、ありがとね大輝君。大輝君もがんばれ」

 「おう!ありがとな」


 俺は二人に手を振って体育館へと戻った。


 ――――――――――――

 

 気まずい。

 え?逆になんで遥は怒っていないの?

 遥をおいて風香のもとに走って行ったんだよ?

 ほかの女のもとに走って行ったのに何でそんなに優しいの。

 俺、海原雄志はこういうとき女の子をどうしたらいいか知らない。

 最近まで遥としかしゃべってなかったんだもん。

 まぁ風香を心配しての行動だから納得してくれてるのかも?


 「は、遥さん……?」


 俺はご機嫌をうかがうように顔を見る。

 

 「どうしたの、雄志?」


 えーっとこれは怒ってる?

 怒ってないように見せて根に持つタイプだ。

 一番やっかいなやつ。


 「ごめんなさい!風香が心配だったとはいえ、置いていっちゃってごめんなさい」


 俺は90度を超えて頭を下げる。


 「ふふっ」


 遥から笑いが漏れる。

 

 「いーよ。ちょっと悲しかっただけ」

 「ご、ごめんなさい」

 「さっき言ったこと覚えてる?」

 「ドーナツですよね……」

 「うん!今度一緒に行こうね?」

 「はい、一緒に行きましょう」


 まあ、ドーナツぐらいで遥のこの笑顔が見られるなら全然安いからいっか。

 すこし上機嫌な遥はスキップをして振り返る。


 「約束ね!」

 

 胸がぎゅっとしまる。

 こんなにもかわいくて優しい幼馴染なんて世界にいるのだろうか。

 これを恋愛感情と呼ぶのかはわからないけど、俺は遥のそばに居たい。


 「約束だ」


 遥との約束だけじゃない。自分の心にその言葉を押し込んだ。

 応援団はお昼休憩に入ったのか、セミの鳴き声だけが俺たちを包んだ。


 「あ、そうだ、雄志~?」


 生徒会室に近づいたとき、遥が思い出したように軽く俺を呼ぶ。


 「ん?」

 「雄志って望先輩と昔知り合いだった?」

 

 ん?急に何を聞いてるんだ?


 「えっと急にどした?多分だけど生徒会に入ってからしゃべるようになったよ」

 「そっかー」

 「どうしたの?」

 「んーん、なんでもないよ」

 「そっか」

 「うん。でも、ちょっと渚先輩には……いや、やっぱなんでもないよ」

 

 渚先輩?

 なにを言いかけたんだろう。

 正直心当たりないんだけどなにかした??

 まあ、遥がなんでもないっていうならおれが聞く必要ないか。

 

 「おう」


 ちょうど生徒会室の前に着いた。

 望先輩と渚先輩の話し声が聞こえる。

 まだすこしだけ生徒会の扉を開けるとき緊張する。

 ふぅ

 大きく深呼吸して扉を開ける。


 ガラガラ


 「お、ゆうしっちとはるかっちおかえり!あ、今は休憩だからゆうくんと遥ちゃんって呼ぶんだったね~」

 

 明るい渚先輩が俺たちに手を振る。


 「おかえりなさい、ゆうしく……ゆうくん、遥さん」


 会長もプライベートの呼び方で呼んでくれる。

 ちょっとどきっとする。

 

 「ただいま帰りました。望先輩、渚先輩」

 

 遥はなぜか優等生モード。

 

 「遥ちゃんもっと気楽にしなよ~」

 「ありがとうございます。渚先輩」


 なんか遥こわいんだけど……


 「お二人ともご飯食べながらでいいので話し始めましょうか」

 「「はい」」


 俺と遥は生徒会室に入って席に座る。


 「それでは文化祭のステージ発表について話し始めます。なにか案はありますか?」

 「はい!!」


 渚先輩が勢いよく手を挙げる。

 それから俺たちの話し合いは数時間にわたり、その日のやることが終わったのはあたりが暗くなってからだった。

 

 



 

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