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イケメンなのに陰キャすぎて幼馴染としか喋れません  作者: ひめのなぎさ
第二章 夏休み
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第2章 第2話 「優しくてひどいよ、君は」

全員が主人公のため場面によって視点が異なります。

ぜひ、恋が実る前の青春という花を見届けていただけると幸いです。

  「きょーなにするの」

 「今日は体育祭やそのあとの文化祭の会議。あと予算案とかも枠組みを決める」

 「まだ、夏休み二日目なんだが生徒会大変過ぎないかい?」

 「それが生徒会です」


 俺、海原雄志がはぁとため息をつくと横をあるいていた新見遥もため息をつく。


 「応援団の練習も朝からやってるんだっけ?」

 

 紗季や良太、風香もが応援団に参加している。


 「たしか10時ぐらいからだったかな」

 「ねえ、なんで生徒会は朝8時40分集合なの」

 「それが生徒会です」

 「いやぁぁぁぁぁぁ」


 

 「「おはようございます」」


 生徒会室に入ると、会長と副会長がすでに仕事を始めていた。


 「おはよう、雄志君、新見さん」

 「ゆうしっち~、はるかっちもおっは~」

 「今日も朝から元気ですね。副会長」

 「え~?副会長?そんな呼び方じゃいーや」

 「な、渚さん……」

 

 ほんとに陽キャギャルつよすぎるだろ……


 「副会長、雄志をそんなにいじめないでください?」

 「ひぇ。はるかっちの目が怖い~。助けて望~」

 「はいはい。今のは渚が悪いよ。とりあえず皆さん席についてください。新見さんお願いできますか?」


 そう言われると遥はタブレットを取り出して本日のすることや会議のスケジュールをホワイトボードに書き始める。


 「本日は①体育祭の競技候補決め②文化祭の予算&大枠の決まり③教師陣との拘束緩和会議の資料作成です。ほかに何かありますか?」


 ピンク色のネイルが目立つきれいな手をはーい!と言いながら渚先輩があげると、望先輩が冷静な声で、

 

 「どうぞ」

 

 というと、渚先輩はすこし子供っぽい声で、

 

 「文化祭での生徒会の出し物なんにしますかー?」


 と言ってニコッと笑った。

 確かに前に文化祭のステージ発表で生徒会としてなにか出そうと話した気がするけど……


 「今じゃないよね、渚」


 俺が思ったことを望先輩が言ってくれる。


 「確かに会長の言う通りですが、私も気になってはいたので今日のお昼休みにでもかんがえませんか?」


 さすが遥。こういう時の調整はうまい。


 「そうしましょう」

 「そーする!がんばるぞー」

 

 渚先輩の明るい声が狭い生徒会室に響く。

 え、まってよ。俺一言も発してないんだけど……。

 まあいっか。反論ないし。




 「疲れたー!お腹すいた!」


 静寂が流れていた生徒会室に渚先輩の声が響く。

 

 「事務作業疲れた!目が疲れたし肩痛い!んー!!」


 おぉ。伸びをする渚先輩えろ。おっぱいでか。


 「雄志」

 

 横から怖い声が聞こえる。


 「どうされました遥お嬢様」

 「殴るよ」

 「怖いです」

 「仕方ないよはるかっち。思春期男子だもんね」

 「それフォローになってないです!」

 「はいはいみんな、ゆうく……、雄志君をいじめないの」

 

 望先輩まじ神!女神様!よっ生徒会長!っと心の中で思ってもコミュ障でそれは言えないので、


 「望先輩ありがとうございます。命拾いしました」

 「大げさすぎよ」


 ふふっと笑う望先輩は本当に女神さまにしか見えない。


 「では皆さんお昼ごはんにしましょう」

 「あ、僕お手洗い行ってきます」


 そう言って生徒会室を一歩出ると、

 

 「あっつ」


 廊下は冷房が付いていないので倒れそうなほど暑い。

 

 「まって、雄志」

 「ん?」

 

 後ろからふわっといいにおいとともに上目遣いで遥がのぞいてくる。


 「どした?」

 「一緒に応援団見に行かない?」

 「いいけど、ご飯食べんながら文化祭のこと話し合うんじゃないっけ?」

 「応援団の様子見に行ってきますって会長たちには伝えといたから大丈夫!」

 「ならいいか。風香たちの団見に行こう?」

 「うん!」


 


 ――――――――――――――

 「はぁはぁ……はぁはぁ」


 もう無理かも……。

 私、松原風香は目の前が真っ暗になりそうだった。

 普段運動なんてしない、引きこもりの人間が炎天下の下で運動それも体育祭の応援団とかいうようキャイベントに参加することが間違いだった。


 「風香!」「風香ちゃん!」


 膝から崩れ落ちそうになったところを紗季ちゃんと良太君支えてくれた。


 「ご、ごめん。二人とも。ありがとう」

 「風香ちゃんすこし休もう」

 「だ、大丈夫」


 私のせいでみんなに迷惑はかけられない。


 「いいから休むよ。私も疲れてきてたし」

 「紗季ちゃん……。ごめんね」

 「風香は遠慮しすぎ」

 「ごめん」

 「風香ちゃん、そんなに謝ったらだめだよ?逆に気を遣うかも」

 「良太君……。ありがと」

 「紗季が休むなら僕もやすもっと」

 

 校舎にかかった時計は12時を回っている。


 「ってかそろそろ昼飯の時間じゃない?」

 「確かに」

 「うちが団長に言ってくるよ。だいぶほかの人も疲れてきてそうだし」

 「着いていくよ紗季」

 「いや、良太は風香を見てて。日陰とはいえ暑いから」

 「いや、でも……」

 「わ、私なら大丈夫だよ?」

 「だーめ。良太、風香を頼んだよ」

 「うん」


 めっちゃ良太君不服そうだけど……。

 紗季ちゃんの後姿から目を離してないし、私のせいで……。


 「良太君ごめんね」

 「いや、大丈夫。風香ちゃんはもっと自信もってよ」

 「え?」


 いつもの冷静な良太君からはすこし想像しない言葉でびっくりした。


 「自身持った方が雄志もうれしいと思うよ?」

 「な、なんで雄志君!?」

 「さーね」

 「良太君って意外と意地悪!紗季ちゃんに言っちゃうよ?」


 少し私も意地悪してみる。


 「風香ちゃん!?」


 良太君も私もいっせいに笑いが噴き出す。

 応援団入ってよかった。

 

 「あれ、雄志と遥ちゃんじゃない?」

 

 良太君が急に笑いを止めて遠くを指さした。

 男女二人が歩いている。


 「う、うん。そうみたいだね」

 

 遥ちゃんと雄志君は生徒会なので一緒に居ても不思議じゃない。むしろ当たり前。

 でも、でも……

 自分の心臓の音が大きくなる。

 うるさい。痛い。


 「風香ちゃん?」

 「ご、ごめん」

 「風香ちゃんあっちいこう」


 良太君が私の背中をさすってくれる。


 「うん」


 ――――――――――――――

 あれって……。

 応援団を見に行こうと雄志と歩いていた私、新見遥はその光景を見てしまった。

 雄志に伝えたら苦しむ?悲しむ?

 でも大丈夫。私が君の横にいるから。私だけが横にいるから。


 「雄志、あれって……風香ちゃんと良太君じゃない?」


 あぁ私って悪い女だ。


 「ふうか……?りょうた?」


 ただ茫然と立ち尽くす君をみて私は君の背中に手を延ばす。

 大丈夫?そういおうと思った。でも、


 「悪い!遥!体調くずしてるかもしれないから冷たい飲みモノ買ってきて!」


 そういうと雄志は財布を私に預けて走り出す。


 「優しくてひどいよ、君は」



 

 




 


 







 


たくさんの視点から物語を進めるというのがこの物語の特徴です。

ぜひ、読んでください。


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