ゆらゆら
とりとめのない日々が
点線のようにつづいていき
いつのまにか 夏だった
どこをとってもかわらない
あかい電車の
ちょうど二両目のいつものばしょで
幽体になってゆらゆらしてる
昨日の証拠をさがしながら
なんとなくな世界を見下ろす
わたしはゆらぐ
連続するふうな
ひとつながりであるふうな
徐々に熱を帯びる日々は
真実と嘘がないまぜ
たとえばかわらないものは
いつか溶けて 気体になって
大気のほんのちょっとな分子になる
そしてゆらぐ
カゲロウは
さようならってゆらゆらしてる
まっしろな幽体は
電車のすみでゆらゆらしてる
昨日のはざまでゆらゆらしてる……
すこし空気が重たいだけで
窮屈なのは気のせい
うまく呼吸できたら
もっとらくになれるよ
そう信じてゆらぐわ