1/13
プロローグ
◎Prologue
3回。
これは、2年前に就任した総理大臣がアメリカに訪問した回数。
これは、最近始めたアクションゲームでゲームオーバーになった回数。
これは、
笑顔の眩しい彼女に、好きだと言われた回数。
俺の青春は、狂っていた。
もどかしくて、青臭くて、それでいてどこか幻想的で。
思い返すと胸が痛いが、一生かけても忘れられない。忘れる事が出来ない。
あの日の俺の行動は、正しかったのだろうか。
いや、あいつなら笑って許してくれるだろうな。
「石田君は悪くないじゃん」なんて、不思議そうな顔をして。
ただ一つ悔やまれるのは、彼女が好きだったあの花を
俺はもう二度と見られないという事。
無残にも散ってしまったあの美しい花が、元通りになることは無い。
前が見えなくなっていた。
翻弄されていた。
きっと、俺達は操られていたんだ。
*