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元魔王様たちの日常  作者: 納豆
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5話「節約の何が悪いッ!」

強欲さんは節約好きの話にすることは決めていたのに、どうしても内容が浮かばず、こんな苦しいものに………。



それはともかく春と秋は暑かったり寒かったりしてイラつきます。

 水道の水の出しっぱなし。

 化石資源の浪費。

 量にものを言わせた散財。



 この世の中には無駄が多すぎる。


 必要な物を必要なだけ取れ。

 余ったからといって捨てるな。

 こっきり使い切れ。


 無駄な物など出してはいけないのだ。


 強欲などクソ食らえ。

 質素に生きろ。質素に。



 これが私、元魔王軍『強欲』のアワリスの心の内だ。





 魔王軍にいた頃からいつも思っていたことがある。


 それ、もうちょっと削れるよね?


 それ、必要ないよね?


 それ、まだあるよね?



 いつもいつも疑問が止まなかった。



 敵軍にさえ、


 そんなに軍備を増強して! 経理課が泣いているぞ!



 そんな思いから敵軍への物理的被害は最小限に留め、万全の武装に満身創痍の体を引き摺って逃げ帰るその様にほくそ笑んでいた。

 少し物足りないがあの頃の私ではそれが限度だった。



 だが今は違う!


 魔王様が退位なされたことにより魔王軍も追って解体され私は自由の身となった。



 私は人族の国に渡ることにした。


 目指すは軍部。

 そして目標は経理課。


 無駄という無駄を削ぎ落としてくれる!












「……なんだ、これは」

「今月の予算案であります」

「そんなことは分かっている! これは、この軍事予算の少なさはなんだと言っているのだ!」

「お言葉ですが。現在魔王軍との戦闘は完全になくなっております。だというのに軍備に大量の予算を割くのはどうかと」

「それは今の話だろう! 明日明後日にはどうなっているかなど分からないではないか! 我らは軍人だ。護国に身を捧げる軍人なのだ! 不確定な未来に備えるのは当然であろう!」

「しかしッ! それでは国の経済が破綻してしまいます! それに未来永劫戦争は起こりません!」

「何を根拠にそんなことを言える!」

「魔王軍は既に解散しているからです!」

「そんな話聞いたことがないぞ!? 貴様、その情報をどこで得た!!」


「あ……」


「貴様、ここに来たのはつい最近だそうではないか! そして軍備の縮小を狙うその行動………貴様、まさか魔王軍の回し者か!!」

「ち、違います! 私はもう魔王軍では………。あ」

「『もう』だと? 貴様、魔族だな! こちらの戦力を内側から崩そうなどと卑怯な! ここで死ぬがいいッ!!」

「く、ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

「待てい!! 逃がさぬぞ!!」

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