日常
「はあー、朝からだりー」
ついさっき、みんなの前で公開処刑された。約15分。さすがに5回連続はまずかったか......。 反省しつつ机に伏せる。
「もう、西菅くんは遅刻しすぎなんだから」
そう笑いながら声をかけてくるのは、委員長の響萌未である。
この人は成績優秀、スポーツ万能、おまけにとびっきりの美人で、学校にファンクラブまである。さすがにやりすぎだと内心引き気味である。
俺がこの人のとなりの席を2回連続引き当てたときは、休み時間に男子どもにぼこられた。だからもうこの人のとなりにはなりたくない。
ちなみにまあまあ胸は大きく、髪の毛は........水色である。本人いわく染めてないらしいが........俺は信じてない。
俺なんか、水泳やってたから塩素で髪の毛の色が抜けて、赤みがかった茶色をしている。
これのせいで、先生に前「なにそめてんだ、黒に戻せ」と猛烈にどなられたことがあるが、だったら委員長はどうなんだと強く思った。
うつくしさってこえー、その後家に電話がかかってきたが、もも姉がこてんばんにしていた。さすがだぜ、おにばば。
「すみませんした委員長、もう遅刻しませんからー」
「はいはーい、信用してるからね」
男子どもの視線が痛い。まるで何楽しく話してんだ遅刻やろーと、いわんばかりの視線だ。悲しーぜ俺。
「まあすがっちは、なれっこだよな」
そう話しかけてくるのは、判田元紀である。こいつは、俺と中学校のときから、ずっと同じクラスなので、仲がいい。
こいつは野球部でピッチャーをしていたが、完全試合を2試合もやりプロからもこえがかかってるらしい。イケメンで女子からも、もてもてだ。
「ああ、なれっこだよ」
俺らは高3なので、部活は引退している。ちなみに俺は、地区個人、団体優勝、県優勝、関東優勝、全国優勝である。俺って結構すごいんだぜ。
「ちゃんとしろよー、すがっち」
「ああ、委員長とも約束したし大丈夫だよ」
「響さんとやくそくしただと、なんと光栄なことかわかってるのかきさまー」
あああー、これだから中毒者は怖い。
「いいじゃねーか、たいした約束じゃねーし」
「いいや、大問だ.....」
「授業はじめますよー」
あくま.....いや、先生の声が響く。助かった。
キーンコーンカーンコーン1時間目の始まりをつげるチャイムが鳴る。