業務案内
続きではありません。
皆さま、初めましてこんにちは。死亡相談所職員、佐藤と申します。本日は当相談所にお越しいただき、誠にありがとうございます。
では、さっそくですが当相談所の業務内容についてご案内いたします。
死亡相談所の主な業務は自殺希望者様の死亡申請書の作成、移植希望者様への臓器移植の説明、自殺希望者様の死亡見届けの三つとなります。
ですが、自殺希望者様によってはその限りではありません。業務が増えます。死にたい方が後悔なく死ねるようにお手伝いをする。これも死亡相談所の業務の一部となります。
自殺希望者様の中には移植希望者様からの礼金の代わりに叶えてもらいたい要望を出してくる方もおります。死亡相談所ではその方たちの要望を出来る限り叶える努力を致します。
その一例をご紹介致します。
例一 職場でこき使われ、仕事を辞めようとしたら殺すぞと恐喝されて辞められずに死にたくなった方の場合。
「死んでもいいから会社を潰してくれ」
これはさすがに無理です。会社を潰す事は出来ません。
ですが、然るべき所に訴える事は出来ます。私達はその手伝いを致します。
訴えた後に会社がどうなるかまでは責任はもてません。
例二 学校でいじめを受け、耐えられなくなって自殺をしようと考えた学生の場合。
「あいつらを殺してくれ」
当相談所では殺人依頼は請け負っておりません。なので人を殺す事も手伝う事も出来ません。ですが、相手を社会的に終わらせる事は手伝う事が出来ます。
犯罪では無いからです。
このような対応をとる理由は、死亡相談所の理念にあります。
『死にたい方へは安らかなる死を、生きたい方には生きるための希望を、それぞれ提供する』
これが死亡相談所の理念です。
しかし、例にあげた事例は、生きたいのに死を選ばざるを得ない状態へと追い込まれた方達です。
外的要因で死にたいと考えた方の場合は、死を考えた原因の排除を致します。
そうして原因を排除する事によって再び生きたいと思って頂けたら幸いです。
ですが、原因を排除してもまだ死にたいと思う場合は、死を提供致します。
ご安心下さい。死でも生でもお好きな方をお選び頂けます。
どうするかはあなた次第です。
終わり。