葉月さん・長月さん(仮名・男性作家さん)
□ 葉月さんのお話
実話恋愛エピソード……しかも爆笑!?
う~ん……そうですねぇ。
彼女、と呼べるお相手ではなかったのですが、お互いに好意を抱いていたので、まぁ、友達以上恋人未満ですね。その子と水族館へデート的な感じで行きまして、両替機で五千円札を両替したのですが、普通なら千円札×五枚で出てくるはずなのに、何故か大量の百円玉がバラバラバラ~っと溢れてきたことがありました。二人して両替機に「なんでやねんっ!」とツッコミいれました。
歴代の彼女や女友達とは、ケンカしても必ず自分が折れていましたねえ……男って、どう逆立ちしたって女性には勝てないんですよね。
□ 長月さんのお話
私が二十九歳だった頃、某県で一人暮らしのサラリーマンをしていました。あるとき私は風邪をひいて、三十八度以上熱が出たのです。うんうん唸って寝込んでいると、付き合っている年上の彼女が「大丈夫?」とお見舞いにきてくれました。
「よく効くものを買ってきたから」
と彼女ががさごそと持ってきた袋を漁り始めました。私は「熱冷ましの薬でも買ってきてくれたのかな? 気が利くな」と思ったのです。しかしなんと彼女が取り出したのはねぎでした。
「首に巻くと熱がとれるんだよ」
とルンルンしています。私は呆気にとられて無言になりました。更に彼女が取り出したのは梅肉。
「これ自然農法のやつで三千円もするんだよ。これで絶対よくなるから」
「……」
今でこそ、自然食品や地産地消とか知れてきていますが、当時は自然食品みたいなのは流行っていませんでした。しかし彼女はやたらとそちら方面にこだわっていたのです。私の気持ちとしては、自然食品でなく、普通に風邪薬を買ってきて欲しかったなあというものでした。
自然食品に異常なまでにこだわる彼女が怖くなってきて(当時は怪しく思いました)、結局三か月後に別れました。風邪のときは風邪薬を買ってきてくれる彼女がいいです。