神無月さん・霜月さん(仮名・女性作家さん)
□ 神無月さんのお話
初恋は小学五年生のときでした。
クラスに格好良い男の子が転校してきたのです。
最初は無関心だったのですが、理科の班が同じになり、少しだけ親しくなりました。
ある日、好きな人教えて! を小学生のノリでやっていたんです。
すると、「神無月さんが好きだよ?」と返ってきたのです。
それから恥ずかしながら転校生くんを意識するようになったんです。
彼のことをよく知らずにいたのに……。
でも、彼に近づこうとすると、彼の友達が阻止してきて近づけなかったり……。
バレンタインデーにラブレターを渡したのですが、それをクラスメイトに回されたりしました。ひどいですね。
私への返事もないまま、彼は他の人に告白までしていたのです。
結局、彼は沖縄に転校。
沖縄では二股をかけてどちらにも振られたそうです。
ざまぁみろと思ってしまう私は嫌なやつですね。顔のいいだけの男って信用ならないと思いました。
という話でした。
バカ話と思っていただけたら幸いです。
□ 霜月さんのお話
恋愛の面白い話ですか?
かなり昔ですが、クリスマスあたり、車で迎えに来てくれた彼氏と一緒に出かけたのですが、どこもいっぱいでどこにも入れず、(カラオケとかボウリングとか、いろいろ)、でもちょっといちゃいちゃしたかったので、大きな川の土手の公園に行きました。で、話とかしているうちに(遠距離恋愛だったので早く帰りたくなかったのです)雪が降ってきました。
そして気がついたころには……車が雪でスリップして動かなくなってしまって。朝にならないとJAFも呼べないというので、一晩中暖房つけて雪の中車にいたという……。そして朝にきたJAFのおじさんに「こんなところに雪の日に来ちゃダメだ」みたいなことを言われ、彼氏ともども大恥をかきました。
今思い出しても穴があったら入りたいくらいの若気の至りですね。
でも今こう書くと笑えます。
それから十五年以上経ったころ、その土手の近くに引っ越すことになりました。そうしたら、ご近所にJAFの仕事をしている方がいたのです。
JAFは現場から一番近い人が来てくれると聞いたことがあります。
もしかしたら、あのとき来てくれたJAFのおじさんは今のご近所さんだったりしてと思い、その家の前を通ると、たまにあの雪の日を思い出します。