前書きに代えて
この「小説家になろう」のサイトで他作家さんと交流していて、面白いお話を聞きました。
睦月さん(仮名・男性作家さん)の恋愛実話を伺い、そのお話に笑ったので、知り合いの作家さんから「笑える恋愛実話」を集めようと考えた次第です。お話をくださった作家さんの書き方や文体もありますが、「私がアレンジしてもいいよー」と仰っていただき、多少自分流に書いたお話もあります。全員にお見せして、掲載許可は取りました。
ちなみに私の恋愛実話。私は大学生の頃、社会人の彼と付き合っていました。大学生といっても、講義もあり、部活もあり、バイトもあってなかなか忙しかったです。忙しい中、時間を作って彼と会うのですが、彼は仕事の愚痴ばかりで私は面白くありません。そんな彼は、デートの約束をするたび訊いてくるのです。
「どこ行きたい?」
たまにはそっちが考えてよと思うのですが、彼は女性と付き合ったのが私とが初めてで、どこに行けばいいか見当もつかなかったのでしょう。ある日私は希望を言いました。
「あしかが見たい」
私はとてもあしかが好きなのです。せっかく時間を作ってデートするなら、自分の見たいものがいいと思いました。
彼はそれに同意し、デートの日に一緒に電車に乗ります。乗り換えるにつれ、私は段々不安になってきました。
「まさか○○水族館じゃないよね」
私が問うと、彼はにっこり答えました。
「そうだけど」
がーん。あしかが見たいって言ったのに! あしかが見たいって言ったのに!
「○○水族館にはあしかがいないんだよ。なんで事前に調べなかったの!?」
日頃から仕事の愚痴を言われていた鬱憤もあって、彼を非難します。結局「あしかの恨み」で彼と別れました。
あしかが見られなかっただけで別れるのも珍しいですよね。きっと彼は「女心は謎だ」とでも思っている気がします。
世の女性の皆様には 彼<あしか の構図が理解いただけたでしょうか? 同性ならわかってもらえそうに思えます。